ドレッシングモードを FUNCTION DRESS で有効にする

用途

研削工具をドレッシングするために、FUNCTION DRESS 機能でドレッシングキネマティクスを有効にします。その際、研削工具がワークになり、場合によっては軸が反対方向に移動します。

場合によっては、機械メーカーがドレッシングのために簡略化された方法を提供します。

マクロにより簡略化されたドレッシング

条件

  • ソフトウェアオプション Grinding (#156 / #4-04-1)
  • ドレッシングモード用のキネマティクス記述がある
  • 機械メーカーがキネマティクス記述を作成します。

  • 研削工具が取り付けられている

機能説明

 
注意事項
衝突の危険に注意!
FUNCTION DRESS BEGIN をオンにすると、キネマティクスが切り替わります。研削ホイールがワークになります。場合によっては、軸が反対方向に移動します。この機能の処理中およびその後の加工中に衝突が生じるおそれがあります。
  1. ドレッシングモード「FUNCTION DRESS」は、操作モード「プログラム実行」またはモード「単一ブロック」でのみ有効にします
  2. FUNCTION DRESS BEGIN 機能の前に研削ホイールをドレッシング工具の近くに配置します
  3. FUNCTION DRESS BEGIN 機能の後、ハイデンハインのサイクルまたは機械メーカーのサイクルでのみ作業します
  4. NC プログラムの中断や電源遮断後に、軸の移動方向を点検します
  5. 必要に応じて、キネマティクスの切替えをプログラミングします

ドレッシングキネマティクスに切り替えるために、FUNCTION DRESS BEGIN 機能と FUNCTION DRESS END 機能の間にドレッシングプロセスをプログラミングしなければなりません。

ドレッシングモードが有効な場合、作業エリア「位置」にアイコンが表示されます。

作業エリア 位置

FUNCTION DRESS END 機能を使用して、通常モードに戻します。

NC プログラムの中断や電源遮断時は、通常モードおよびドレッシングモードの前に有効であったキネマティクスが自動的に有効になります。

入力

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 FUNCTION DRESS BEGIN "Dress"

:ドレッシングモードを Dress キネマティクスで有効にする

この機能には、次のように移動します:

NC機能を挿入 すべての機能 特殊機能 機能 ドレッシング DRESS

NC 機能には以下の構文要素が含まれます。

構文要素

意味

FUNCTION DRESS

ドレッシングモード用の構文のオープナー

BEGIN または END

ドレッシングモードを有効化または無効化する

名前 または パラメータ

選択したキネマティクスの名前

テキストまたは文字列パラメータ

オプションの構文要素

選択ウィンドウを使った選択が可能

BEGIN 選択でのみ

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
ドレッシングサイクルにより、ドレッシング工具がプログラミングされた研削ホイールのエッジにポジショニングされます。位置決めは、加工面の 2 つの軸上で同時に行われます。この動作中に衝突点検は行われません。衝突の危険があります!
  1. FUNCTION DRESS BEGIN 機能の前に研削ホイールをドレッシング工具の近くに配置します
  2. 衝突がないことを確認します
  3. NC プログラムをゆっくりと実行します
 
注意事項
衝突の危険に注意!
ドレッシングキネマティクスが有効な場合、機械動作が逆方向に作用することがあります。軸の移動時には衝突の危険があります。
  1. NC プログラム中断または電流遮断後は、軸の移動方向を点検すること
  2. 必要に応じて、キネマティクス切替えをプログラミングすること
  • ドレッシングの際、ドレッシング工具の工具刃と研削ホイールの中心が同じ高さでなければなりません。プログラミングされた Y 座標は 0 でなければなりません。
  • ドレッシングモードに切り替えると、研削工具はスピンドルに残り、現在の回転数を維持します。
  • ドレッシングプロセス中は、ブロックスキャンは行われません。ドレッシング後にブロックスキャンで最初の NC ブロックを選択すると、ドレッシングで最後に接近した位置に移動します。
  • ブロックスキャンによるプログラムへのアクセス

  • 加工面の傾斜または TCPM 機能が有効な場合、ドレッシングモードに切り替えることはできません。
  • ドレッシングモードを有効にすると、手動旋回機能 (#8 / #1-01-1) および FUNCTION TCPM (#9 / #4-01-1) 機能がリセットされます。
  • 「3-D回転 (#8 / #1-01-1)」ウィンドウ

  • 工具配置を FUNCTION TCPM で補正 (#9 / #4-01-1)

  • ドレッシングモードでは、ワークゼロ点を TRANS DATUM 機能で変更できます。それ以外の場合、NC 機能または座標変換用サイクルは使用できません。エラーメッセージが表示されます。
  • TRANS DATUM でゼロ点シフト

  • 機能 M140 は、ドレッシングモードでは使用できません。 エラーメッセージが表示されます。
  • ドレッシングはグラフィック表示されません。シミュレーションによって計算される時間と実際の加工時間は一致しません。その理由は、特にキネマティクスの必要な切り替えにあります。