加工面座標系 WPL-CS

用途

加工面座標系 WPL-CS では、入力座標系 I-CS の位置と向きとともに、NC プログラムでの座標値の基準を定義します。そのために、加工面の傾斜後に変換をプログラミングします。

入力座標系 I-CS

機能説明

加工面座標系 WPL-CS の特徴

加工面座標系 WPL-CS は 3 次元のカーテシアン座標系です。WPL-CS の座標原点は、ワーク座標系 W-CS での変換を使用して定義します。

ワーク座標系 W-CS

W-CS で変換が定義されていない場合、W-CSWPL-CS の位置と向きは同じになります。

加工面座標系 WPL-CS での変換

ハイデンハインは、加工面座標系 WPL-CS で次の変換を使用することを推奨しています。

これらの変換により、入力座標系 I-CS の位置と向きを変更します。

 
注意事項
衝突の危険に注意!
プログラミングした変換の種類と順番に応じて、さまざまな反応が起こります。不適切な機能があると、不意の動作や衝突が発生するおそれがあります。
  1. 推奨された変換のみを基準系でプログラミングします
  2. 傾斜機能では軸角度ではなく空間角を使用します
  3. シミュレーションで NC プログラムをテストします

グローバルプログラム設定「GPS (#167 / #1-02-1)」を使用した追加の変換

フライス旋削による追加の変換 (#50 / #4-03-1)

ソフトウェアオプション「Turning」を使用すると、次の追加の変換を使用できます:

  • 次のサイクルによる歳差角:
    • サイクル 800 ADJUST XZ SYSTEM
    • サイクル 801 RESET ROTARY COORDINATE SYSTEM
    • サイクル 880 GEAR HOBBING
  • 機械メーカーが定義した特殊な回転キネマティクス用の OEM 変換
 
Tip

機械メーカーはソフトウェアオプション Turning (#50 / #4-03-1) を使用しなくても OEM 変換および歳差角を定義できます。

OEM 変換は歳差角の前に作用します。

OEM 変換または歳差角が定義されている場合、作業エリア「状態」の「POS」タブにその値が表示されます。これらの変換はフライス加工モードでも作用します。

「POS」タブ

歯車作成による追加の変換 (#157 / #4-05-1)

以下のサイクルを使用して歳差角を定義できます:

  • サイクル 286 GEAR HOBBING
  • サイクル 287 GEAR SKIVING
 
Tip

機械メーカーはソフトウェアオプション Gear Cutting (#157 / #4-05-1) を使用しなくても歳差角を定義できます。

注意事項

  • NC プログラムでプログラミングされた値は、入力座標系 I-CS を基準にします。NC プログラムで変換を定義しない場合は、ワーク座標系 W-CS、加工面座標系 WPL-CSI-CS の原点と位置が同じになります。
  • 入力座標系 I-CS

  • 純粋な 3 軸加工では、ワーク座標系 W-CS と加工面座標系 WPL-CS が同じになります。この場合、すべての変換は入力座標系 I-CS に影響します。
  • 重なり合って構成する変換の結果は、プログラミング順序によって変わります。
  • PLANE」機能 (#8 / #1-01-1) として、「PLANE RELATIV」はワーク座標系 W-CS 内で加工面座標系 WPL-CS の方向を設定します。ただしその際、追加的な傾斜の値は常に、現在の WPL-CS を基準にします。