FUNCTION SHAPING (#96 / #7-04-1) による輪郭平削り加工
用途
輪郭平削り加工を使用すると、例えば表面品質の高いシール面が生成できます。FUNCTION SHAPING 機能がアクティブな場合、移動動作中に工具が自動的に輪郭へ追従移動します。この自動追従移動により、FUNCTION SHAPING を使用して彫刻加工、ギロシェ加工、角度面取り加工を行うこともできます。
輪郭平削り加工には、突切り旋削工具 RECTURN などの旋削工具を使用します。
関連項目
- 工具マネージャで工具データを入力する
- FUNCTION TURNDATA CORR を使用して NC プログラムで旋削工具を修正する
条件
- キネマティクス記述
工具の追従移動には、機械メーカーが作成するキネマティクス記述が必要です。
- ソフトウェアオプション Adv. Spindle Interpol. (#96 / #7-04-1)
- 工具定義
- 工具タイプ「旋削工具」
- DIRECT による切削方向
- 工具軸 Z
- FUNCTION MODE MILL 有効
機能説明
輪郭平削り加工の場合、工具スピンドルが回転軸として定義されている機械キネマティクスを有効にします。これにより、工具が輪郭へ追従移動できるようになります。
ワークを基本回転または 3D 基本回転で位置合わせでき、旋回した加工面でも平削りできます。
以下の場合には、FUNCTION SHAPING がリセットされます:
- FUNCTION SHAPING END
- M30
- 内部停止
輪郭記述
FUNCTION SHAPING 内で、工具が移動する輪郭をプログラミングします。
輪郭平削り加工の場合、工具が加工面上で垂直になっている必要があります。FUNCTION SHAPING 内で回転軸をプログラミングすると、エラーメッセージが表示されます。
輪郭は必ず次の NC 機能を使用してプログラミングします:
- 接近および退避機能を除く経路機能 (工具半径補正なし)
- TRANS DATUM
- TRANS ROT またはサイクル 10 ROTATION
ハイデンハインでは、FUNCTION SHAPING 機能内で、平削り加工する輪郭のみをプログラミングすることを推奨しています。例えば、次の輪郭のプリポジショニングを行うには、FUNCTION SHAPING END の後に移動動作をプログラミングします。
輪郭平削り加工用工具
使用する旋削工具に応じて、輪郭平削り加工に必要な NC 機能とソフトウェアオプションが変わります。
工具切刃がスピンドル中心にある場合は、ソフトウェアオプション Adv. Function Set 2 (#9 / #4-01-1) を使用せずに平削り加工できます。工具切刃がスピンドル中心から外れている場合は、輪郭平削り加工のためにソフトウェアオプション Adv. Function Set 2 (#9 / #4-01-1) が必要です。
工具切刃がスピンドル中心にある
- スピンドル中心の工具ガイド点 TLP、正面および下からの図
工具のパラメータ XL と YL に値 0 が含まれている場合、工具ガイド点 TLP はスピンドル中心にあります。FUNCTION TURNDATA CORR-TCS をプログラミングする場合、構文要素 DXL にも値 0 が含まれている必要があります。
輪郭平削り加工中、工具が輪郭へ追従移動するためにスピンドルが回転します。スピンドルが回転しても、これらの工具の工具ガイド点は同じ位置に留まります。
工具切刃がスピンドル中心から外れている
- スピンドル中心から外れている工具ガイド点 TLP、正面および下からの図
工具のパラメータ XL または YL に 0 以外の値が含まれている場合、工具ガイド点 TLP はスピンドル中心から外れています。FUNCTION TURNDATA CORR-TCS 内で構文要素 DXL を 0 以外でプログラミングする場合は、工具ガイド点も移動させます。
輪郭平削り加工中、工具が輪郭へ追従移動するためにスピンドルが回転します。スピンドルが回転すると、これらの工具では元の工具切刃位置へのオフセットが発生します。下からの図では、工具ガイド点 TLP' のオフセットを確認できます。補正を行わないと、工具が輪郭から離れたり、輪郭を損傷させたりします。
加工中にこのオフセットを調整し、工具を輪郭上に維持するには、M128 または選択「AXIS POS (#9 / #4-01-1)」を含む FUNCTION TCPM をプログラミングします。
入力
FUNCTION SHAPING BEGIN
ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。
以下に応じて調整を行います。
- 工具
- 切断値
- 送り速度
- 安全な高さまたは安全な位置
- 機械特有の位置 (例:M91)
- プログラム呼出しのパス
一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。
さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。
プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。
11 FUNCTION SHAPING BEGIN | :輪郭平削り加工を有効にする |
この機能には、次のように移動します:
NC機能を挿入 すべての機能 特殊機能 機能 シェイピングSHAPING FUNCTION SHAPING BEGIN
NC 機能には以下の構文要素が含まれます。
構文要素 | 意味 |
---|---|
FUNCTION SHAPING BEGIN | 追従移動を有効にするための構文オープナー |
FUNCTION SHAPING END
ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。
以下に応じて調整を行います。
- 工具
- 切断値
- 送り速度
- 安全な高さまたは安全な位置
- 機械特有の位置 (例:M91)
- プログラム呼出しのパス
一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。
さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。
プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。
11 FUNCTION SHAPING END | :輪郭平削り加工を無効にする |
この機能には、次のように移動します:
NC機能を挿入 すべての機能 特殊機能 機能 シェイピングSHAPING FUNCTION SHAPING END
NC 機能には以下の構文要素が含まれます。
構文要素 | 意味 |
---|---|
FUNCTION SHAPING END | 追従移動を無効にするための構文オープナー |
注意事項
- 平削り工具の場合、最小許容内側半径に関する工具メーカーの指示に従ってください
- 適切な工具キャリアを備えた自由研削の工具を使用してください
- FUNCTION SHAPING が有効な場合、現在の NC ブロックと次の NC ブロックから角度の二等分線が計算されます。移動動作中、スピンドルが回転し、工具切刃も回転します。各 NC ブロックの終了時に、工具切刃は輪郭に対する角度の二等分線上にあります。
- 機械のマニュアルを参照してください。
平削りキネマティクスが有効な場合、工具スピンドルは追加の回転軸として機能します。コントローラの旋回機能では、2 つの回転軸のみが許可されます。有効な平削りキネマティクスを使用して旋回機能をプログラミングするには、M138 を使用して計算から工具スピンドルを除外する必要があります。
必要に応じて、平削りキネマティクスでデフォルトの M138 が有効になります。
- NC 機能 FUNCTION TURNDATA CORR は、ソフトウェアオプション「Adv. Spindle Interpol. (#96 / #7-04-1)」の機能範囲に含まれています。
図面寸法を使用して輪郭をプログラミングするために、工具半径補正のような NC 機能 TURNDATA CORR-TCS を使用できます。
パターン:輪郭平削り加工のプログラム構成
このパターンは、輪郭平削り加工の可能なプログラム構成を示しています。オプションの手順は「必要に応じて」で始まります。3 番目の列には、オプションの手順に関する追加情報または条件が含まれています。
BLK FORM... | ||
輪郭平削り加工用工具を呼び出す | TOOL CALL ... | :工具軸 Z を備えた旋削工具が必要 |
必要に応じて、工具を補正する | FUNCTION TURNDATA CORR-TCS... | |
平削りキネマティクスを有効にする | FUNCTION MODE MILL "..." | |
必要に応じて、M138 でスピンドルを旋回から除外する | M138... | :平削りキネマティクスが有効になった後に加工面を旋回させる場合のみ |
必要に応じて、加工面を旋回させる | PLANE SPATIAL... | |
必要に応じて AXIS POS を含む FUNCTION TCPM を有効にする | FUNCTION TCPM ... AXIS POS ... | :工具切刃がスピンドル中心から外れている場合のみ |
FUNCTION SHAPING を有効にする | FUNCTION SHAPING BEGIN | :追従移動を有効にする |
輪郭を平削り加工する | L X... Y... Z... | :直線軸動作のみ許可 |
CC ... | ||
C X... Y... | ||
FUNCTION SHAPING を無効にする | FUNCTION SHAPING END | |
必要に応じて、FUNCTION TCPM を無効にする | FUNCTION RESET TCPM | |
必要に応じて、旋回した加工面をリセットする | PLANE RESET... | |
フライス加工キネマティクスを有効にする | FUNCTION MODE MILL "..." | |
... |
定義
ギロシェ加工
ギロシェ加工とは、重なり合った線から模様を描く彫刻手法の一種です。ギロシェ加工は、例えば印刷技術や、時計や宝飾品の製造で使用されます。
角度面取り加工
角度面取り加工とは、表面品質の高いエッジの面取りを指し、時計や宝飾品の製造などで使用されます。