NC の基本事項
プログラミング可能な軸
コントローラのプログラミング可能な軸は、DIN 66217 の軸定義に対応しています。
プログラミング可能な軸は次のように指定されます:
主軸 | 平行軸 | 回転軸 |
---|---|---|
X | U | A |
Y | V | B |
Z | W | C |
機械のマニュアルを参照してください。
プログラミング可能な軸の数、命名、および割当ては、機械によって異なります。
機械メーカーがさらなる軸を定義できます (PLC 軸など)。
フライス盤の軸の名称
フライス盤の X、Y、Z 軸は主軸 (第 1 軸)、副軸 (第 2 軸)、工具軸とも呼ばれます。主軸と副軸が加工面を形成します。
軸間には次の関連があります:
主軸 | 副軸 | 工具軸 | 加工面 |
---|---|---|---|
X | Y | Z | XY、さらには UV、XV、UY |
Y | Z | X | YZ、さらには WU、ZU、WX |
Z | X | Y | ZX、さらには VW、YW、VZ |
コントローラのすべての機能は、パターン定義「PATTERN DEF」などの工具軸 Z の使用時にのみ使用できます。
制限されていて、機械メーカーによって準備、設定されている場合、工具軸 X と Y の使用が可能です。
ポジションエンコーダとリファレンスマーク
基本事項
機械軸の位置はポジションエンコーダで検出されます。リニア軸にはリニアエンコーダが標準装備されています。回転テーブルまたは回転軸にはアングルエンコーダがあります。
ポジションエンコーダは、軸の動作時に電気信号を生成することにより、機械テーブルまたは工具の位置を検出します。コントローラは、この電気信号から現在の基準系の軸の位置を算出します。
ポジションエンコーダは、さまざまな方法で位置を検出できます:
- アブソリュート
- インクリメンタル
電源遮断時は、コントローラは軸の位置を算出することができなくなります。電源が復旧したとき、アブソリュートおよびインクリメンタルポジションエンコーダの動作は異なります。
アブソリュートポジションエンコーダ
アブソリュートポジションエンコーダの場合、エンコーダ上の各位置は一意にマークされています。これにより、コントローラは電源遮断後すぐに軸位置と座標系の関係を確立できます。
インクリメンタルポジションエンコーダ
インクリメンタルポジションエンコーダは、位置特定のためにリファレンスマークから現在位置までの間隔を算出します。リファレンスマークは、機械で固定の基準点を示します。電源遮断後に現在位置を算出できるようにするには、リファレンスマークに接近する必要があります。
ポジションエンコーダに距離コード化されたリファレンスマークがある場合、リニアエンコーダでは軸を最大 20 mm 移動させる必要があります。アングルエンコーダでは、この間隔は最大 20°です。
機械内の基準点
次の表は、機械内またはワークの基準点の概要を示しています。
関連項目
- 工具の基準点
アイコン | 基準点 |
---|---|
機械ゼロ点 機械ゼロ点は、機械メーカーによって機械構成で定義される特定の点です。 機械ゼロ点は、機械座標系 M-CS の座標原点です。 NC ブロック で M91 をプログラミングする場合、定義された値は機械ゼロ点を基準にします。 | |
M92 ゼロ点 M92-ZP (zero point) M92 ゼロ点は、機械メーカーによって機械構成で機械ゼロ点を基準にして定義される特定の点です。 M92 ゼロ点は、M92 座標系の座標原点です。NC ブロック で M92 をプログラミングする場合、定義された値は M92 ゼロ点を基準にします。 | |
工具交換点 工具交換点は、機械メーカーによって工具交換マクロで機械ゼロ点を基準にして定義される特定の点です。 | |
リファレンス点 リファレンス点は、ポジションエンコーダを初期化するための特定の点です。 機械にインクリメンタルポジションエンコーダがある場合、軸は起動プロセス後にリファレンス点に接近する必要があります。 | |
ワーク基準点 ワーク基準点で、ワーク座標系 W-CS の座標原点を定義します。 ワーク基準点は、基準点表の有効な行で定義されています。例えば 3D タッチプローブを使って、ワーク基準点を求めます。 変換が定義されていない場合、NC プログラムの入力はワーク基準点を基準にします。 | |
ワークゼロ点 NC プログラムで変換 (TRANS DATUM 機能やゼロ点表) を使用して、ワークゼロ点を定義します。NC プログラムの入力はワークゼロ点を基準にします。NC プログラムで変換が定義されていない場合、ワークゼロ点はワーク基準点に一致します。 加工面を傾斜させると (#8 / #1-01-1)、ワークゼロ点はワーク旋回点として使用されます。 |