定義サイクルの位置決め動作

全般

円筒研削サイクルでは、複雑な加工でも自動接近と後退が可能です。このサイクルは、研削加工の始点までいくつかの位置に接近します。位置決め中、有効な研削ホイールエッジがサイクルによって変更されます。

 
Tip

有効な研削ホイールエッジの変更は、目標値と実際値の位置表示に影響します。

接近および後退動作は以下に依存します:

  • Q1058 PRE-POSITIONING MODE
    • プリポジショニングの有無
    • 傾斜角度の自動計算または Q531 からの使用
  • Q530 INCLINATION BEHAVIOR:回転軸位置決め MOVE または TURN
  • Q1042 INFEED DIRECTION:外側または内側加工

接近動作

接近動作は、サイクル 1041 LONG STROKE DEF. または 1042 SHORT STROKE DEF. の呼出し時に行われます。

サイクル呼出しの時点でワーク座標系 W-CS および工具座標系 T-CS の Z 方向が平行になっていない場合、エラーメッセージが表示されます。

後退動作

後退動作は、サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING の呼出し時に行われます。後退動作は接近動作と同じですが、順序が逆になります。

 
Tip
  • NC プログラムがキャンセルされた場合、次の状況では、後退動作でワークから離れることができます:
    • 定義サイクル 1041 または 1042 が、Q1058 PRE-POSITIONING MODE0 以外で完全に実行された
    • 手動動作が行われていない
    • 変換が変更されていない
  • このために、サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING を「MDI」アプリケーションでプログラミングします。

  • 停電後、サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING での自動後退はできません。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
Q1058 PRE-POSITIONING MODE を値 0 でプログラミングすると、すべての安全位置が無視されます。Q200 SET-UP CLEARANCEQ260 CLEARANCE HEIGHT および Q1031 SAFE DIAMETER に作用はありません。現在の位置から始点まで直接移動します。衝突の危険があります!
  1. 可能であれば、Q10580 以外でプログラミングします
  2. シミュレーションでシーケンスを点検します
 
注意事項
衝突の危険に注意!
接近および後退動作中、研削ホイールに対するワークの輪郭全体は監視されません。これにより衝突の危険があります!
  1. シミュレーションでワーク位置を実際の加工に適合させます
  2. シミュレーションでシーケンスを点検します
 
注意事項
衝突の危険に注意!
ソフトウェアリミットスイッチは、可能な傾斜角度を制限します。操作モード「エディタ」で作業エリア「シミュレーション」のソフトウェアリミットスイッチがオフになっている場合、このシミュレーションは後の加工と異なる場合があります。加工中は衝突のおそれがあります。
  1. シミュレーションでソフトウェアリミットスイッチを有効にします

回転軸位置決め MOVE による外側加工

  1. 研削ホイールエッジ番号 9 の研削工具が Q260 CLEARANCE HEIGHT に位置決めされます。
  2. 最も外側の研削ホイールエッジ番号 2 の研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。
  3. 研削工具が傾斜します。回転軸が位置決めされ、リニア軸で調整動作が行われます。旋回点は自動的に決定されます。
  4. 研削工具が Z 軸の補助点に移動します。補助点は始点の高さ、つまり最初の往復位置の高さにあります。
  5. 研削工具が X 軸の補助点に移動します。補助点は始点からセットアップ許容値 Q200 の分だけずれています。 Q200=0 の場合、補助点は X 軸の Q1031 SAFE DIAMETER にあります。
  6. 続いて、研削工具が開始位置に位置決めされます。

回転軸位置決め TURN による外側加工

  1. 研削ホイールエッジ番号 9 の研削工具が Q260 CLEARANCE HEIGHT に位置決めされます。
  2. 最も外側の研削ホイールエッジ番号 2 の研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。工具が安全な直径 Q1031 より大きい値にある場合、動作は行われません。
  3. 研削工具が傾斜します。回転軸のみが位置決めされ、リニア軸で調整動作は行われません。
  4. 必要に応じて、研削工具が安全な高さ Q260 に再度位置決めされます。
  5. 必要に応じて、研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。
  6. 研削工具が Z 軸の補助点に移動します。補助点は始点の高さ、つまり最初の往復位置の高さにあります。
  7. 研削工具が X 軸の補助点に移動します。補助点は始点からセットアップ許容値 Q200 の分だけずれています。 Q200=0 の場合、補助点は X 軸の Q1031 SAFE DIAMETER にあります。
  8. 続いて、研削工具が開始位置に位置決めされます。

回転軸位置決め MOVE による内側加工

  1. 研削ホイールエッジ番号 9 の研削工具が Q260 CLEARANCE HEIGHT に位置決めされます。
  2. 最も外側の研削ホイールエッジ番号 6 の研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。
  3. 研削工具が Z 軸の補助点に移動します。補助点は始点の高さ、つまり最初の往復位置の高さにあります。
  4. 研削工具が X 軸の補助点に移動します。補助点は始点からセットアップ許容値 Q200 の分だけずれています。 Q200=0 の場合、補助点は X 軸の Q1031 SAFE DIAMETER にあります。
  5. 研削工具が傾斜します。回転軸が位置決めされ、リニア軸で調整動作が行われます。旋回点は自動的に決定されます。
  6. 続いて、研削工具が開始位置に位置決めされます。

回転軸位置決め TURN による内側加工

  1. 研削ホイールエッジ番号 9 の研削工具が Q260 CLEARANCE HEIGHT に位置決めされます。
  2. 最も外側の研削ホイールエッジ番号 6 の研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。工具が Q1031 SAFE DIAMETER より小さい値にある場合、動作は行われません。
  3. 研削工具が傾斜します。回転軸のみが位置決めされ、リニア軸で調整動作は行われません。
  4. 必要に応じて、研削工具が安全な高さ Q260 に位置決めされます。
  5. 研削工具が安全な直径 Q1031 に位置決めされます。
  6. 研削工具が Z 軸の補助点に移動します。補助点は始点の高さ、つまり最初の往復位置の高さにあります。
  7. 研削工具が X 軸の補助点に移動します。補助点は始点からセットアップ許容値 Q200 の分だけずれています。 Q200=0 の場合、補助点は X 軸の Q1031 SAFE DIAMETER にあります。
  8. 続いて、研削工具が開始位置に位置決めされます。