加工面座標系 WPL-CS
用途
加工面座標系 WPL-CS では、入力座標系 I-CS の位置と向きとともに、NC プログラムでの座標値の基準を定義します。そのために、加工面の傾斜後に変換をプログラミングします。
機能説明
加工面座標系 WPL-CS の特徴
加工面座標系 WPL-CS は 3 次元のカーテシアン座標系です。WPL-CS の座標原点は、ワーク座標系 W-CS での変換を使用して定義します。
W-CS で変換が定義されていない場合、W-CS と WPL-CS の位置と向きは同じになります。
加工面座標系 WPL-CS での変換
ハイデンハインは、加工面座標系 WPL-CS で次の変換を使用することを推奨しています。
- 「TRANS DATUM」機能の軸 X、Y、Z
- 機能「TRANS MIRROR」またはサイクル 8 MIRROR IMAGE
- 機能「TRANS ROTATION」またはサイクル 10 ROTATION
- 機能「TRANS SCALE」またはサイクル 11 SCALING
- サイクル 26 AXIS-SPEC. SCALING
- 機能「PLANE RELATIV (#8 / #1-01-1)」
これらの変換により、入力座標系 I-CS の位置と向きを変更します。
注意事項
衝突の危険に注意!
プログラミングした変換の種類と順番に応じて、さまざまな反応が起こります。不適切な機能があると、不意の動作や衝突が発生するおそれがあります。
- 推奨された変換のみを基準系でプログラミングします
- 傾斜機能では軸角度ではなく空間角を使用します
- シミュレーションで NC プログラムをテストします
グローバルプログラム設定「GPS (#167 / #1-02-1)」を使用した追加の変換
フライス旋削による追加の変換 (#50 / #4-03-1)
ソフトウェアオプション「Turning」を使用すると、次の追加の変換を使用できます:
- 次のサイクルによる歳差角:
- サイクル 800 ADJUST XZ SYSTEM
- サイクル 801 RESET ROTARY COORDINATE SYSTEM
- サイクル 880 GEAR HOBBING
- 機械メーカーが定義した特殊な回転キネマティクス用の OEM 変換
Tip
機械メーカーはソフトウェアオプション Turning (#50 / #4-03-1) を使用しなくても OEM 変換および歳差角を定義できます。
OEM 変換は歳差角の前に作用します。
OEM 変換または歳差角が定義されている場合、作業エリア「状態」の「POS」タブにその値が表示されます。これらの変換はフライス加工モードでも作用します。
歯車作成による追加の変換 (#157 / #4-05-1)
以下のサイクルを使用して歳差角を定義できます:
- サイクル 286 GEAR HOBBING
- サイクル 287 GEAR SKIVING
Tip
機械メーカーはソフトウェアオプション Gear Cutting (#157 / #4-05-1) を使用しなくても歳差角を定義できます。
注意事項
- NC プログラムでプログラミングされた値は、入力座標系 I-CS を基準にします。NC プログラムで変換を定義しない場合は、ワーク座標系 W-CS、加工面座標系 WPL-CS、I-CS の原点と位置が同じになります。
- 純粋な 3 軸加工では、ワーク座標系 W-CS と加工面座標系 WPL-CS が同じになります。この場合、すべての変換は入力座標系 I-CS に影響します。
- 重なり合って構成する変換の結果は、プログラミング順序によって変わります。
- 「PLANE」機能 (#8 / #1-01-1) として、「PLANE RELATIV」はワーク座標系 W-CS 内で加工面座標系 WPL-CS の方向を設定します。ただしその際、追加的な傾斜の値は常に、現在の WPL-CS を基準にします。