サイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND (#156 / #4-04-1)

ISO プログラミング

G1051

用途

切込みサイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND では、円筒研削加工の切込み動作を定義し、切込みを開始します。加工には直線往復動作と切込み動作が含まれます。サイクル 1051 は、往復動作の折り返し点へ段階的に切り込みます。

往復動作

往復動作と組み合わせると、研削ホイールエッジよりも長い輪郭の加工が可能になります。往復動作は常に定義された輪郭に沿って行われます。サイクル 1041 LONG STROKE DEF. の定義により往復動作が変換されます。サイクル 1041 の支持位置は、往復ストロークの両方の折り返し点の計算のベースになります。

切込み動作

切込みはワーク座標系 W-CS の半径または軸方向に行われます。どの軸で切り込むのかを、サイクル 1041 LONG STROKE DEF. で定義します。

切込み動作は終了位置に到達するまで行われます。終了位置をサイクル 1041 の支持位置で定義します。最終的な終了位置を Q1052 OVERSIZE AT CYCLE END を使って切込み方向と逆に移動し、終了位置を変更することができます。

異なる許容値を持つ複数の切込みサイクルをプログラミングすると、粗加工と仕上加工を行うことができます。

切込み方向は、プログラミングするパラメータに直接影響します。

注意事項

サイクルシーケンス

  1. 研削ホイールが開始位置 1 に位置決めされます。
  2. 定義サイクルの位置決め動作

  3. このサイクルは Q1001 RECIP. FEED RATE で往復ストロークを開始します。
  4. 研削ホイールは Q1053 AMOUNT OF INFEED および Q1054 INFEED STRATEGY に応じて折り返し点に切り込まれます。
  5. 許容値 Q1052 OVERSIZE AT CYCLE END に達するまで切込みが繰り返されます。
  6. 最後の切込み後に研削工具が、プログラミングされている空ストローク Q1020 の数だけ移動します。
  7. プログラミングされた終了位置 Q1048 で往復ストロークを停止します。
  8. 研削ホイールは、Q253 F PRE-POSITIONING で円筒を離れて、負荷解放値 Q1055 になります。
  9. 次に、研削工具が早送りで Q260 CLEARANCE HEIGHT または Q1031 SAFE DIAMETER に移動します。位置は、外側加工と内側加工のどちらが行われるかによって異なります。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
工具を傾斜させて、ワークに接近させるには、十分なスペースが必要です。加工中、特に内側加工時には衝突の危険があります。
  1. シミュレーションでシーケンスを点検します
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE GRIND でのみ実行可能です。
  • このサイクルは CALL 有効 です。
  • 最後の側面切込みは、Q1053 AMOUNT OF INFEED の定義によっては少なくなる場合があります。
  • 切込み方向は、プログラミングするパラメータに直接影響します。
  • X または Z 座標を使用し、切込み方向に応じて次のパラメータをプログラミングします:

  • 切込み方向

    直径の X 座標

    Z 座標

    X 軸

    • Q1052 OVERSIZE AT CYCLE END
    • Q1053 AMOUNT OF INFEED
    • Q1055 RELIEF AMOUNT
    • -

    Z 軸

    • -
    • Q1052 OVERSIZE AT CYCLE END
    • Q1053 AMOUNT OF INFEED
    • Q1055 RELIEF AMOUNT

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q1052 サイクル終了時オーバーサイズ確認

許容値 Q1052 は、研削後に残ります。この許容値はサイクル 1041 の許容値よりも小さくなければなりません。

許容値はインクリメンタル値です。径方向切込みの場合、許容値は直径に作用します。

入力:-99.9999...+99.9999

Q1053 送り量は?

折り返し点で切り込む値。

径方向切込みの場合、切込み量は直径に作用します。

入力:0...99.99999

Q1054 送り手順は?

切込みを行う位置:

0:折り返し点 1 および 2 での切込み

1:折り返し点 1 での切込み

2:折り返し点 2 での切込み

入力:012

Q1020 アイドルストローク数は?

材料除去なしでの最後の切込み後の空ストロークの数

入力:0...99

Q1055 逃げ量は?

往復後に研削ホイールを後退させ、研削ホイールの負荷を軽減する値。

この値はインクリメンタル値です。径方向切込みの場合、値は直径に作用します。

入力:0...10

Q1056 エンコーダを使用しますか? (オプション)

材料除去中に有効であり、加工を監視するエンコーダの選択。

0:有効なエンコーダなし

>0このパラメータの機能は機械メーカーが定義します。 機械のマニュアルを参照してください。

入力:0...99

Q1057 音響放出センサを使用しますか? (オプション)

固体伝搬音センサーの選択

0:有効な固体伝搬音センサーなし

>0このパラメータの機能は機械メーカーが定義します。 機械のマニュアルを参照してください。

入力:0...99

Q1064 センサの送り速度の確認 (オプション)

AE センサーが有効な状態でワークに近づくときの工具の送り速度 (mm/min)。

このパラメータは、AE センサー Q1057>0 が有効な場合にのみ作用します。

入力:0...999.9999

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 1051 STEP.CYLIND.GRIND ~

Q1052=+0

;OVERSIZE AT CYCLE END ~

Q1053=+0

;AMOUNT OF INFEED ~

Q1054=+0

;INFEED STRATEGY ~

Q1020=+0

;IDLE STROKES ~

Q1055=+0

;RELIEF AMOUNT ~

Q1056=+0

;ENCODER ~

Q1057=+0

;AE SENSOR ~

Q1064=+0

;FEEDRATE WITH SENSOR