サイクル 831 THREAD LONGITUDINAL

ISO プログラミング

G831

用途

 
Machine

機械のマニュアルを参照してください。

この機能は、機械メーカーが使用可能にして、調整する必要があります。

このサイクルで、ねじ溝を長手旋削できます。

このサイクルで 1 条または多条ねじのねじ溝を作成できます。

このサイクルでねじ溝の深さを入力しない場合、ISO1502 規格に基づくねじ溝の深さが使用されます。

このサイクルを内側および外側の加工に使用できます。

関連項目

  • サイクル 832 THREAD EXTENDED オプションで、縦方向または平面ねじ切り、さまざまなテーパーねじ、助走路およびオーバーラン経路を選択可能
  • サイクル 832 THREAD EXTENDED

サイクルシーケンス

サイクル呼出し時の工具位置がサイクル開始点として使用されます。

  1. コントローラは工具を早送りでねじの前のセットアップ許容値の位置に位置決めし、切込み動作を実行します。
  2. 軸に平行に長手切削が実行されます。その際にコントローラは、定義されたピッチができるように、送り速度と回転数を同期させます。
  3. 工具は早送りでセットアップ許容値分だけ離れます。
  4. 工具が早送りで切削開始点に戻ります。
  5. 切込み動作が実行されます。切込みは、切込み角度 Q467 に応じて実行されます。
  6. ねじ溝の深さに達するまでこの工程 (2 ~ 5) が繰り返されます。
  7. Q476 で設定された回数の空切削が実行されます。
  8. ねじ溝数 Q475 に応じてこの工程 (2 ~ 7) が繰り返されます。
  9. 工具が早送りでサイクル開始点に戻ります。
 
Tip

ねじ溝切りが実行されている間、送りオーバーライド用ダイアルは無効です。回転数オーバーライド用ダイアルは制限付きで有効です。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
マイナスの直径範囲でのプリポジショニング時には、パラメータ Q471 ねじ位置の作用方式が逆になります。このため、外ねじが 1、内ねじが 0 になります。工具とワークの間に衝突が生じる可能性があります。
  1. 多くの機械タイプで、旋削工具はフライススピンドルに固定されず、スピンドルの横にある別個のホルダに固定されます。1 つの工具だけで外側と内側のねじを作成するために、旋削工具を 180° 回転させることはできません。1 つの機械で外側の工具を内側の加工に使用する場合、マイナスの直径範囲 (X-) で加工を実行して、ワークピースの回転方向を反転させることができます
 
注意事項
衝突の危険に注意!
最短経路で開始位置へ退避動作が行われます。衝突の危険があります!
  1. 工具は必ず、コントローラがサイクル終了時に衝突することなく開始点に接近できるようにプリポジショニングしてください
 
注意事項
工具とワークピースへの危険に注意!
ねじ側面の角度より大きい切込み角度 Q467 をプログラミングすると、ねじ側面が破損する可能性があります。切込み角度が変更されると、軸方向でネジの位置がずれます。切込み角度が変更された場合、工具がねじ溝に合わなくなる場合があります。
  1. 切込み角度 Q467 はねじ側面の角度よりも大きい値にプログラミングしないでください
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE TURN でのみ実行可能です。
  • ねじ切り加工時のねじ溝の数は 500 に制限されています。
  • サイクル 832 THREAD EXTENDED では、助走とオーバーラン用のパラメータを使用できます。

プログラミングの注意事項

  • サイクルを呼び出す前に、位置決めブロックを半径補正 R0 で開始位置にプログラミングします。
  • セットアップ許容値 Q460 が助走路として使用されます。助走路は、送り軸を必要な速度まで加速するのに十分な長さにする必要があります。
  • ねじピッチがオーバーラン経路として使用されます。オーバーラン経路は、送り軸を減速するのに十分な長さにする必要があります。
  • TYPE OF INFEED Q468 が 0 (一定の加工断面) の場合、Q467ANGLE OF INFEED を 0 より大きい値で定義する必要があります。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q471 ねじ位置(0=外部/1=内部)?

ねじの位置を指定します:

0:外側ねじ

1:内側ねじ

入力:01

Q460 セットアップ許容値?

半径および軸方向のセットアップ許容値。軸方向では、セットアップ許容値は同期された送り速度への加速 (助走路) に使用されます。

入力:0...999.999

Q491 ねじの直径?

ねじの公称直径を指定します。

入力:0.001...99999.999

Q472 ねじのピッチ?

ねじのピッチ

入力:0...99999.999

Q473 ねじの深さ(半径)?

ねじ溝の深さ。0 を入力すると、制御装置はメートルねじのねじピッチに基づくねじ溝の深さを使用します。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...999.999

Q492 Zの輪郭開始?

始点の Z 座標

入力:-99999.999...+99999.999

Q494 Zの輪郭終了?

ねじの振れ Q474 を含む終点の Z 座標

入力:-99999.999...+99999.999

Q474 ねじの逃げ溝の長さ?

ねじの終端での実際の切込み深さからねじの直径 Q460 まで上昇する経路の長さ。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...999.999

Q463 最大切削深さ?

半径を基準にした半径方向の最大切込み深さ。

入力:0.001...999999

Q467 送り角度?

切込み Q463 が行われる角度。基準角度は回転軸に対して垂直です。

入力:0...60

Q468 送り込みタイプ(0/1)?

切込みの種類を指定します:

0:一定の加工断面 (切込みは深さに応じて減ります)

1:一定の切込み深さ

入力:01

Q470 開始角度?

ねじ溝切りが始まる回転スピンドルの角度。

入力:0...359.999

Q475 ねじの溝の数?

ねじ山の数

入力:1...500

Q476 エアカットの数?

完成したねじ溝深さまでの切込みのない空切削の数

入力:0...255

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 831 THREAD LONGITUDINAL ~

Q471=+0

;THREAD POSITION ~

Q460=+5

;SETUP CLEARANCE ~

Q491=+75

;THREAD DIAMETER ~

Q472=+2

;THREAD PITCH ~

Q473=+0

;DEPTH OF THREAD ~

Q492=+0

;CONTOUR START IN Z ~

Q494=-15

;CONTOUR END IN Z ~

Q474=+0

;THREAD RUN-OUT ~

Q463=+0.5

;MAX. CUTTING DEPTH ~

Q467=+30

;ANGLE OF INFEED ~

Q468=+0

;TYPE OF INFEED ~

Q470=+0

;STARTING ANGLE ~

Q475=+30

;NUMBER OF STARTS ~

Q476=+30

;NUMBER OF AIR CUTS

12 L X+80 Y+0 Z+2 FMAX M303

13 CYCL CALL