M107 (#9 / #4-01-1) を使用して、正の工具オーバーサイズを許可する
用途
M107 (#9 / #4-01-1) により、正のデルタ値では加工は中断されません。この機能は 3D 工具補正が有効な場合、または直線 LN の場合に作用します。
M107 により、例えば CAM プログラムの場合に、許容値のある予備仕上げ加工と許容値のない最終仕上げ加工に同じ工具を使用できます。
条件
- ソフトウェアオプション Adv. Function Set 2 (#9 / #4-01-1)
機能説明
作用
M107 はブロックの先頭で作用します。
M107 をリセットするには、M108 をプログラミングします。
適用例
ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。
以下に応じて調整を行います。
- 工具
- 切断値
- 送り速度
- 安全な高さまたは安全な位置
- 機械特有の位置 (例:M91)
- プログラム呼出しのパス
一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。
さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。
プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。
11 TOOL CALL 1 Z S5000 DR2:+0.3 | :正のデルタ値の工具を取り付ける |
12 M107 | :正のデルタ値を許可する |
工具交換が行われ、次の NC ブロックで M107 が有効になります。それによって正のデルタ値が許可され、予備仕上げ加工などに関するエラーメッセージは出力されません。
M107 を使用しない場合、正のデルタ値でエラーメッセージが出力されます。
注意事項
- NC プログラムで処理を行う前に、工具が正のデルタ値によって輪郭損傷や衝突を引き起こさないことを確認してください。
- 周辺フライス加工の際は、以下の場合にエラーメッセージが出力されます:
- 正面フライス加工の際は、以下の場合にエラーメッセージが出力されます:
説明
略語 | 説明 |
---|---|
R | 工具半径 |
R2 | コーナー半径 |
DR | 工具半径のデルタ値 |
DR2 | コーナー半径のデルタ値 |
TAB | 値は工具マネージャに関連する |
PROG | 値は NC プログラムに関連する、つまり工具呼出しまたは補正表の値 |