サイクル 820 TURN CONTOUR TRANSV.

ISO プログラミング

G820

使用方法

 
Machine

機械のマニュアルを参照してください。

この機能は、機械メーカーが使用可能にして、調整する必要があります。

このサイクルでは、ワークピースを任意の回転輪郭で横断旋削できます。輪郭記述はサブプログラムで行われます。

このサイクルは、粗加工、仕上加工または完全加工に適用できます。粗加工時には、軸と平行に切削します。

このサイクルを内側および外側の加工に使用できます。輪郭の始点が輪郭の終点よりも大きい場合、サイクルは外側加工を実行します。輪郭の始点が終点よりも小さい場合、サイクルは内側加工を実行します。

粗加工サイクルシーケンス

サイクル呼出し時の工具位置がサイクル開始点として使用されます。開始点の Z 座標が輪郭の始点よりも小さい場合、工具は Z 座標の輪郭始点に位置決めされて、そこからサイクルが開始されます。

  1. コントローラは早送りで軸に平行な切込み動作を実行します。切込み値は Q463 最大切削深さに基づいて算出されます。
  2. 開始位置と終点間の範囲を横方向に切削します。横断切削は軸と平行に行われ、定義された送り速度 Q478 で行われます。
  3. コントローラは工具を定義された送り速度で切込み値だけ戻します。
  4. 工具が早送りで切削開始点に戻ります。
  5. 輪郭が完成するまでこの工程 (1 ~ 4) が繰り返されます。
  6. 工具が早送りでサイクル開始点に戻ります。

仕上加工サイクルシーケンス

開始点の Z 座標が輪郭の始点よりも小さい場合、工具は Z 座標のセットアップ許容値に位置決めされ、そこからサイクルが開始されます。

  1. コントローラは早送りで切込み動作を実行します。
  2. 定義された送り速度 Q505 で仕上り品輪郭 (輪郭始点から輪郭終点まで) が仕上加工されます。
  3. コントローラは工具を定義された送り速度でセットアップ許容値だけ戻します。
  4. 工具が早送りでサイクル開始点に戻ります。

注意事項

 
注意事項
工具とワークへの危険に注意!
切削境界で加工する輪郭範囲を制限します。接近および退避経路は、この切削境界を超えてもかまいません。 サイクル呼出し前の工具位置は、切削境界の実行に影響します。TNC7 は、サイクル呼出し前に工具がある切削境界側の材料を切削します。
  1. サイクル呼出し前に、材料が切削される切削境界の側に工具が既にあるように工具を位置決めしてください
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE TURN でのみ実行可能です。
  • サイクル呼出し時の工具位置 (サイクル開始点) によって切削する範囲が変わります。
  • コントローラは、工具の切削形状を考慮して、輪郭要素を損なわないようにします。アクティブな工具によって完全な加工ができない場合は、警告が表示されます。
  • CUTLENGTH に値が入力されている場合、その値がサイクルの粗加工時に顧慮されます。指示がなされて、切込み深さが自動的に低下します。
  • 切削サイクルの基本事項に注意してください。
  • 切削サイクル

プログラミングの注意事項

  • サイクルを呼び出す前に、位置決めブロックを半径補正 R0 で安全な位置にプログラミングします。
  • サブプログラム番号を定義するには、サイクル呼出し前にサイクル 14 CONTOUR GEOMETRY または SEL CONTOUR をプログラミングする必要があります。
  • 輪郭サブプログラムでローカルな Q パラメータ QL を使用する場合は、QL を輪郭サブプログラムの内部でも割り当てるか、計算する必要があります。
  • 輪郭を仕上加工する場合、輪郭記述で工具半径補正 RL または RR をプログラミングする必要があります。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q215 機械加工運転(0/1/2/3)?

加工範囲を指定します:

0:粗加工と仕上加工

1:粗加工のみ

2:完成寸法の仕上加工のみ

3:許容値の仕上加工のみ

入力:0123

Q460 セットアップ許容値?

後退動作とプリポジショニング用の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...999.999

Q499 輪郭を反転させる(0-2)?

輪郭の加工方向を指定します:

0:輪郭はプログラミングされた方向で処理されます

1:輪郭はプログラミングされた方向と逆の方向で処理されます

2:輪郭はプログラミングされた方向と逆の方向で処理され、さらに工具の位置が調整されます

入力:012

Q463 最大切削深さ?

軸方向の最大切込み。摩擦切断を防ぐために、切込みは均等に分割されます。

入力:0...99.999

Q478 荒削り送り速度?

粗加工時の送り速度。M136 をプログラミングすると、コントローラは mm/min 単位の M136 を使用せずに、mm/rev 単位で送り速度を解釈します。

入力:0...99999.999 または FAUTO

Q483 直径のオーバーサイズ?

定義した輪郭の直径の許容値。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99.999

Q484 Zのオーバーサイズ?

定義した輪郭の軸方向での許容値。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99.999

Q505 仕上げ加工送り速度?

仕上加工時の送り速度。M136 をプログラミングすると、コントローラは mm/min 単位の M136 を使用せずに、mm/rev 単位で送り速度を解釈します。

入力:0...99999.999 または FAUTO

Q487 プランジングを許可(0/1)?

プランジ要素の加工を許可します:

0:プランジ要素を加工しません

1:プランジ要素を加工します

入力:01

Q488 プランジングの送り速度(0=自動)?

プランジ加工時の送り速度の定義。この入力値はオプションです。この値をプログラミングしない場合、旋削加工用に定義された送り速度が適用されます。

入力:0...99999.999 または FAUTO

Q479 機械加工の制限(0/1)?

切削制限を有効にします:

0:切削制限は無効

1:切削制限 (Q480/Q482)

入力:01

Q480 直径の制限の値?

輪郭の境界の X 値 (直径指定)

入力:-99999.999...+99999.999

Q482 Zの切削制限の値?

輪郭の境界の Z 値

入力:-99999.999...+99999.999

Q506 輪郭スムージング(0/1/2)?

0:各切削後、輪郭に沿って (切込み範囲内)

1:最後の切削後に輪郭スムージング (輪郭全体)、持ち上げ 45°

2:輪郭スムージングなし、持ち上げ 45°

入力:012

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 14.0 CONTOUR GEOMETRY

12 CYCL DEF 14.1 CONTOUR LABEL2

13 CYCL DEF 820 TURN CONTOUR TRANSV. ~

Q215=+0

;MACHINING OPERATION ~

Q460=+2

;SETUP CLEARANCE ~

Q499=+0

;REVERSE CONTOUR ~

Q463=+3

;MAX. CUTTING DEPTH ~

Q478=+0.3

;ROUGHING FEED RATE ~

Q483=+0.4

;OVERSIZE FOR DIAMETER ~

Q484=+0.2

;OVERSIZE IN Z ~

Q505=+0.2

;FINISHING FEED RATE ~

Q487=+1

;PLUNGE ~

Q488=+0

;PLUNGING FEED RATE ~

Q479=+0

;CONTOUR MACHINING LIMIT ~

Q480=+0

;DIAMETER LIMIT VALUE ~

Q482=+0

;LIMIT VALUE Z ~

Q506=+0

;CONTOUR SMOOTHING

14 L X+75 Y+0 Z+2 FMAX M303

15 CYCL CALL

16 M30

17 LBL 2

18 L X+75 Z-20

19 L X+50

20 RND R2

21 L X+20 Z-25

22 RND R2

23 L Z+0

24 LBL 0