サイクル 1018 RECESSING WITH DRESSING ROLL (#156 / #4-04-1)

ISO プログラミング

G1018

用途

 
Machine

機械のマニュアルを参照してください。

この機能は、機械メーカーが使用可能にして、調整する必要があります。

サイクル 1018 RECESSING WITH DRESSING ROLL で、研削ホイールの直径をドレッシングロールによる溝切りでドレッシングできます。ドレッシング方式に応じて、1 回または複数回の溝切り動作が行われます。

このサイクルには次のドレッシング方式があります:

  • 溝切り:この方式では、直線的な溝切り動作のみが行われます。ドレッシングロールは研削ホイールよりも大きい幅を持っています。
  • 複数回の溝切り:この方式では、直線的な溝切り動作が行われます。切込みの最後に、ドレッシング工具がドレッシングキネマティクスの Z 軸で移動し、新たに切込みが行われます。

このサイクルは、以下の研削ホイールエッジをサポートします:

軸付砥石

特殊な軸付砥石

カップホイール

1、2、5、6

サポートされていません

サポートされていません

研削工具のドレッシング

サイクル 1030 ACTIVATE WHEEL EDGE (#156 / #4-04-1)

サイクルシーケンス

溝切り

  1. ドレッシングロールが開始位置に FMAX でポジショニングされます。開始位置で、ドレッシングロールの中心と研削ホイールエッジの中心が一致します。CENTER OFFSET Q1028 がプログラミングされている場合、これが開始位置への接近時に考慮されます。
  2. ドレッシングロールは、PRE-POSITION DIST. Q1025 を送り速度 Q253 F PRE-POSITIONING で接近します。
  3. ドレッシングロールは、DRESSING FEED RATE Q1018DRESSING AMOUNT Q1013 の分だけ研削ホイールに溝切りを行います。
  4. DWELL TIME IN REVS Q211 が定義されている場合、定義された時間だけ待機します。
  5. ドレッシングロールが F PRE-POSITIONING Q253PRE-POSITION DIST. Q1025 に戻ります。
  6. FMAX で開始位置に移動します。

複数回の溝切り

  1. ドレッシングロールが開始位置に FMAX でポジショニングされます。
  2. ドレッシングロールは、PRE-POSITION DIST. Q1025 に送り速度 Q253F PRE-POSITIONING で接近します。
  3. ドレッシングロールは、DRESSING FEED RATE Q1018DRESSING AMOUNT Q1013 の分だけ研削ホイールに溝切りを行います。
  4. DWELL TIME IN REVS Q211 が定義されている場合、これが実行されます。
  5. ドレッシングロールが F PRE-POSITIONING Q253PRE-POSITION DIST. Q1025 に戻ります。
  6. RECESSING OVERLAP Q510 に応じて、ドレッシングロールがドレッシングキネマティクスの Z 軸で次の溝切り位置に移動します。
  7. 研削ホイール全体がドレッシングされるまで、工程 3 ~ 6 が繰り返されます。
  8. ドレッシングロールが F PRE-POSITIONING Q253PRE-POSITION DIST. Q1025 に戻ります。
  9. 早送りで開始位置に移動します。
 
Tip

必要な溝切り数が、研削ホイールの幅、ドレッシングロールの幅、パラメータ RECESSING OVERLAP Q510 の値をもとに計算されます。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
FUNCTION DRESS BEGIN をオンにすると、キネマティクスが切り替わります。研削ホイールがワークになります。場合によっては、軸が反対方向に移動します。この機能の処理中およびその後の加工中に衝突が生じるおそれがあります。
  1. ドレッシングモード「FUNCTION DRESS」は、操作モード「プログラム実行」またはモード「単一ブロック」でのみ有効にします
  2. FUNCTION DRESS BEGIN 機能の前に研削ホイールをドレッシング工具の近くに配置します
  3. FUNCTION DRESS BEGIN 機能の後、ハイデンハインのサイクルまたは機械メーカーのサイクルでのみ作業します
  4. NC プログラムの中断や電源遮断後に、軸の移動方向を点検します
  5. 必要に応じて、キネマティクスの切替えをプログラミングします
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILLFUNCTION MODE TURNFUNCTION MODE GRIND および FUNCTION DRESS で実行できます。
  • サイクル 1018 は DEF アクティブです。
  • ドレッシングモードでは座標変換はできません。エラーメッセージが表示されます。
  • ドレッシングはグラフィック表示されません。
  • ドレッシングロールの幅が研削ホイールの幅より小さい場合、複数回の溝切り Q1027=1 のドレッシング方式を使用します。
  • COUNTER FOR DRESSING Q1022 をプログラミングすると、工具マネージャで定義されたカウンタの到達後にドレッシングプロセスが実行されます。各研削ホイールのカウンタ DRESS-N-DDRESS-N-D-ACT が保存されます。
  • ドレッシング工具表tooldress.drs (#156 / #4-04-1)

  • 各切込みの最後に、研削工具およびドレッシング工具の工具データが修正されます。
  • ドレッシングサイクルでは、コントローラが工具半径補正なしで作動します。
  • このサイクルは、必ずドレッシングモードで実行してください。場合によっては、機械メーカーが、サイクルシーケンスにおいてすでに切替えをプログラミングしています。
  • マクロにより簡略化されたドレッシング

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q1013 ドレッシング量は?

ドレッシングプロセス時に切り込む値。

入力:0...9.9999

Q1018 ドレッシングの送り速度は?

ドレッシングプロセス時の移動速度。

入力:0...99999

Q1027 ドレッシング方法(0/1)の確認

ドレッシングロールを使った溝切り時の方式:

0:溝切り - 直線的な溝切り動作が行われます。研削ホイールはドレッシングロールよりも小さい幅を持っています。

1:複数回の溝切り - 直線的な溝切り動作が行われます。ドレッシング値の切込みの最後に、ドレッシング工具がドレッシングキネマティクスの Z 軸で移動し、新たに切込みが行われます。研削ホイールはドレッシングロールよりも大きい幅を持っています。

入力:01

Q1025 プリポジション? (オプション)

プリポジショニング時の研削ホイールとドレッシングロール間の間隔

入力:0...9.9999

Q253 事前集積のための送り速度? (オプション)

事前位置への接近時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.9999 または FMAXFAUTOPREDEF

Q211 滞留時間/ 1/分? (オプション)

溝切りの最後での研削ホイールの回転。

入力:0...999.99

Q1028 中心のオフセットは? (オプション)

研削ホイールの中心をもとにしたドレッシングロール中心のオフセット。このオフセットは、ドレッシングキネマティクスの Z 軸で作用します。 この値はインクリメンタル値です。

Q1027=1 の場合、中心のオフセットは使用されません。

入力:–999.999...+999.999

Q510 凹部の幅に対する重複係数? (オプション)

係数 Q510 で、ドレッシングキネマティクスの Z 軸でのドレッシングロールのオフセットを変更します。この係数と値 CUTWIDTH を掛けた算出値分だけ、ドレッシングロールが切込み間で移動します。

1:各切込み時にドレッシングロールの幅全体で溝切りが行われます。

Q510Q1027=1 の場合にのみ作用します。

入力:0.001...1

Q1026 ドレッシング工具の摩耗? (オプション)

ドレッシングロールの摩耗を定義するためのドレッシング値の係数:

0:研削ホイールでドレッシング値が完全に引かれされます。

>0:この係数にドレッシング値を掛けます。算出された値が考慮され、ドレッシング時にドレッシングロールの摩耗によってこの値が失われます。残りのドレッシング値は、研削ホイールでドレッシングされます。

入力:0...+0.99

Q1022 ドレッシング前のコール数は? (オプション)

ドレッシングプロセスが実行される前のサイクル定義の数。各サイクル定義が工具マネージャの研削ホイールのカウンタ DRESS-N-D-ACT に追加されます。

0:NC プログラムのサイクル定義ごとに、研削ホイールがドレッシングされます。

>0:このサイクル定義の数の後に、研削ホイールがドレッシングされます。

入力:0...99

Q330 工具番号または工具名は? (オプション)

ドレッシング工具の番号または名前。アクションバーの選択機能で工具表から直接工具を適用することができます。

-1:ドレッシングサイクル前にドレッシング工具が有効にされた。

入力:-1...99999.9

Q1011 切削速度の係数? (オプション、機械メーカーによって異なる)

ドレッシング工具の切削速度を変更する係数。研削ホイールの切削速度が適用されます。

0:切削速度係数は使用されない

>0:正の値の場合、ドレッシング工具は研削ホイールとの接触点で回転します (研削ホイールに対して逆の回転方向)。

<0:負の値の場合、ドレッシング工具は接触点で研削ホイールと反対に回転します (研削ホイールに対して同じ回転方向)。

入力:–99.999...+99.999

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 1018 RECESSING WITH DRESSING ROLL ~

Q1013=+1

;DRESSING AMOUNT ~

Q1018=+100

;DRESSING FEED RATE ~

Q1027=+0

;DRESSING STRATEGY ~

Q1025=+0

;PRE-POSITION DIST. ~

Q253=+1000

;F PRE-POSITIONING ~

Q211=+3

;DWELL TIME IN REVS ~

Q1028=+0

;CENTER OFFSET ~

Q510=+0.8

;RECESSING OVERLAP~

Q1026=+0

;WEAR FACTOR ~

Q1022=+0

;COUNTER FOR DRESSING ~

Q330=-1

;TOOL ~

Q1011=+0

;FACTOR VC