研削工具表 toolgrind.grd (#156 / #4-04-1)
用途
研削工具表 toolgrind.grd には研削工具特有のパラメータが含まれています。
関連項目
- 工具マネージャでパラメータを編集する
- 工具パラメータ
- フライス盤での研削加工
- ドレッシング工具の工具表
- 技術全般の一般的なパラメータ
条件
- ソフトウェアオプション Grinding (#156 / #4-04-1)
- 工具マネージャ TYP で研削工具が定義されている
機能説明
- 工具マネージャのフォームで工具を編集します
- 工具マネージャの自由に編集できるパラメータのみ編集します
- 工具データの一覧表にあるロックされたパラメータに関する注意事項を確認してください
研削工具表は、ファイル名が toolgrind.grd で、TNC:\table フォルダに保存されていなければなりません。
次の研削工具タイプに応じてパラメータを定義します:
円筒形の研削ピン | 円錐形の研削ピン |
カップホイール | ストレート砥石 および 対向砥石 |
アングル砥石 |
研削工具表 toolgrind.grd のパラメータ
研削工具表 toolgrind.grd には以下のパラメータが含まれます:
パラメータ | 意味 |
---|---|
T | 工具番号 研削工具表の行番号 例えば工具呼出しのために、工具番号を使って各工具を一意に識別することができます。 ドットの後にインデックスを指定することができます。 工具表 tool.t の工具番号と一致していなければなりません 入力範囲:0~32767 |
NAME | |
TYPE | 研削砥石のタイプ 選択した研削工具タイプに応じて、工具マネージャの作業エリア「フォーム」に適切なパラメータが表示されます。 選択ウィンドウを使った選択 入力:GRIND_PIN、GRIND_CONE、GRIND_CUP、GRIND_CYLINDER、GRIND_ANGULAR、GRIND_FACE |
R-OVR | 研削砥石の半径 研削工具の最外半径 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
L-OVR | 研削砥石の張り出し 工具キャリア基準点に基づいた研削工具の最外半径までの長さ 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
LO | 全長 工具キャリア基準点に基づいた研削工具の絶対長さ 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
LI | 内側エッジまでの長さ 工具キャリア基準点に基づいた内側エッジまでの長さ 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
B | 幅 研削工具の幅 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
G | 奥行 研削ホイールの奥行き 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.000000~999.999999 |
ALPHA | 傾斜の角度 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:0.00000~90.00000 |
GAMMA | 角の角度 初期ドレッシング以降にこのパラメータを編集することはできません。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力範囲:45.00000~180.00000 |
RV | |
RV1 | |
RV2 | |
dR-OVR | 半径の補正 工具補正のための半径のデルタ値 コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で補正付き研磨ホイール、COR_TYPE_GRINDTOOL を選択した場合にのみ使用します。 コントローラはこの値を加工のためだけに使用し、ドレッシングには使用しません。研削工具のドレッシングと計測の後、補正値が自動的に入力されます。 パラメータ R-OVR に加算 入力範囲:-999.999999~+999.999999 |
dL-OVR | 張り出しの補正 工具補正のためのオーバーハングのデルタ値 コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で補正付き研磨ホイール、COR_TYPE_GRINDTOOL を選択した場合にのみ使用します。 コントローラはこの値を加工のためだけに使用し、ドレッシングには使用しません。研削工具のドレッシングと計測の後、補正値が自動的に入力されます。 パラメータ L-OVR に加算 入力範囲:-999.999999~+999.999999 |
dLO | 合計長の補正 工具補正のための全長のデルタ値 コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で補正付き研磨ホイール、COR_TYPE_GRINDTOOL を選択した場合にのみ使用します。 コントローラはこの値を加工のためだけに使用し、ドレッシングには使用しません。研削工具のドレッシングと計測の後、補正値が自動的に入力されます。 パラメータ LO に加算 入力範囲:-999.999999~+999.999999 |
dLI | 内側エッジまでの長さの補正 工具補正のための内側エッジまでの長さのデルタ値 コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で補正付き研磨ホイール、COR_TYPE_GRINDTOOL を選択した場合にのみ使用します。 コントローラはこの値を加工のためだけに使用し、ドレッシングには使用しません。研削工具のドレッシングと計測の後、補正値が自動的に入力されます。 パラメータ LI に加算 入力範囲:-999.999999~+999.999999 |
R_SHAFT | 工具シャンクの半径 入力範囲:0.00000~999.99999 |
R_MIN | 最初許容半径 ドレッシング後にここで定義されている最小許容半径を下回っている場合、エラーメッセージが表示されます。 入力範囲:0.00000~999.99999 |
B_MIN | 最初許容幅 ドレッシング後にここで定義されている最小許容幅を下回っている場合、エラーメッセージが表示されます。 入力範囲:0.00000~999.99999 |
V_MAX | 最大許容切削速度 切削速度の制限 値が高めにプログラミングされている場合でも、ポテンショメータを使用しても、この値を超えることはありません。 入力範囲:0,000~999,999 |
V | 現在の切削速度 現在は機能なし 入力範囲:0,000~999,999 |
W | 傾斜角 現在は機能なし 入力範囲:-90.00000~90.0000 |
W_TYPE | 内側エッジまたは外側エッジへの傾斜 現在は機能なし 入力:-1、0、+1 |
KIND | 加工の種類(内側/外側研削) 現在は機能なし 入力:0、1 |
HW | 砥石にリリーフカットがある 現在は機能なし 入力:0、1 |
HWA | 外側エッジのリリーフカットの角度 入力範囲:0.00000~45.00000 |
HWI | 内側エッジのリリーフカットの角度 入力範囲:0.00000~45.00000 |
INIT_D_OK | 初期ドレッシングが実行されました 初期ドレッシングは研削ホイールの最初のドレッシングです。 以下の条件が満たされている場合に、パラメータ INIT_D_OK が 1 に設定されます。
パラメータ INIT_D_OK が 1 に設定されている場合、研削工具の定義用のパラメータがロックされます。 パラメータ INIT_D_OK を 値 0 に設定すると、パラメータの編集が再び可能になります。この場合、工具をもう一度初期ドレッシングする必要があります。 サイクル 1032 GRINDING WHL RADIUS COMPENSATION (#156 / #4-04-1) 入力:0、1 |
INIT_D_PNR | 初期ドレッシングのドレッサー位置 現在は機能なし 入力:0...9999 |
INIT_D_DNR | 初期ドレッシングのドレッサー番号 現在は機能なし 入力範囲:0~32767 |
MESS_OK | 研削砥石を測定 コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で摩耗したドレッシング工具、COR_TYPE_DRESSTOOL を選択した場合にのみ使用します。 入力:0、1 |
STATE | セットアップステータス 現在は機能なし 入力:%0000000000000000...%1111111111111111 |
A_NR_D | ドレッサー番号(直径ドレッシング) コントローラはこのパラメータを、パラメータ COR_TYPE で摩耗したドレッシング工具、COR_TYPE_DRESSTOOL を選択した場合にのみ使用します。 使用されるドレッサーの工具番号 工具マネージャのパラメータ T_DRESS に相当します 入力範囲:0~32767 |
A_NR_A | ドレッサー番号(外側エッジドレッシング) 現在は機能なし 入力範囲:0~32767 |
A_NR_I | ドレッサー番号(内側エッジドレッシング) 現在は機能なし 入力範囲:0~32767 |
DRESS_N_D | 直径のドレッシングカウンタ(仕様) 直径の次のドレッシングまでに超過するドレッシングサイクル呼出し回数の指定 入力:0...999 |
DRESS_N_A | 外側エッジのドレッシングカウンタ(仕様) 外側エッジの次のドレッシングまでに超過するドレッシングサイクル呼出し回数の指定 入力:0...999 |
DRESS_N_I | 内側エッジのドレッシングカウンタ(仕様) 内側エッジの次のドレッシングまでに超過するドレッシングサイクル呼出し回数の指定 入力:0...999 |
DRESS_N_D_ACT | 直径の現在のドレッシングカウンタ 直径の最後のドレッシング以降に超過するドレッシングサイクルの現在値 入力:0...999 |
DRESS_N_A_ACT | 外側エッジの現在のドレッシングカウンタ 外側エッジの最後のドレッシング以降に超過するドレッシングサイクルの現在値 入力:0...999 |
DRESS_N_I_ACT | 内側エッジの現在のドレッシングカウンタ 内側エッジの最後のドレッシング以降に超過するドレッシングサイクルの現在値 入力:0...999 |
AD | |
AA | |
AI | |
FORM | 砥石の形状 選択ウィンドウを使った選択 入力:0.00...99.99 |
A_PL | 外側の面取り長さ 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_PW | 外側の面取り角度 入力範囲:0.00000~89.99999 |
A_R1 | 外側のコーナー半径 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_L | 外側の長さ 現在は機能なし 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_HL | リリーフカットの長さ、外側の砥石の奥行 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_HW | 外側のリリーフカットの角度 入力範囲:0.00000~45.00000 |
A_S | 外側の側面幅 既存のプロファイルの深さ ドレッシングされた値の分だけ、値が自動的に修正されます。 HWA が定義されている場合は機能しません 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_R2 | 外側のデパーチャの角度 入力範囲:0.00000~999.99999 |
A_G | 外側で予約 現在は機能なし 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_PL | 内側の面取り長さ 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_PW | 内側の面取り角度 入力範囲:0.00000~89.99999 |
I_R1 | 内側のコーナー半径 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_L | 内側の長さ 現在は機能なし 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_HL | リリーフカットの長さ、内側の砥石幅 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_HW | 内側のリリーフカットの角度 入力範囲:0.00000~45.00000 |
I_S | 内側の側面の奥行 既存のプロファイルの深さ ドレッシングされた値の分だけ、値が自動的に修正されます。 HWI が定義されている場合は機能しません 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_R2 | 内側のデパーチャの角度 入力範囲:0.00000~999.99999 |
I_G | 内側で予約 現在は機能なし 入力範囲:0.00000~999.99999 |
COR_TYPE | 補正方法の選択 次の補正方法から選択できます。
選択ウィンドウを使った選択 入力:0、1 |
COR_ANG | ドレッシング工具傾斜角度 入力:0.00000...360.00000 |
研削ホイールのホイール側面形状
基本的な幾何学データのパラメータを使用して、研削ホイールの形状を定義します。さらに、次の研削工具タイプの場合は、正面および軸側のホイール側面形状を定義できます:
- 円筒形の研削ピン
- ストレート砥石
作業エリア「フォーム」は入力をサポートします。
- ホイール側面形状の選択肢
ホイール側面形状の可能な組み合わせが選択できる選択ウィンドウがあります。最初の数字は正面 A を定義し、2 番目の数字は軸側 I を定義します。ホイール側面形状を 1 ~ 8 から選択できます。
1 および 6 を除くすべての選択肢は複雑な形状です。研削工具の片側には複雑な形状を選択でき、もう片側には 1 または 6 のみを選択できます。選択ウィンドウでは、最初に正面の複雑な形状の組み合わせが表示され、次に軸側の複雑な形状の組み合わせが表示されます。ホイール側面形状を選択すると、必要なパラメータのみが表示されます。
- 新しいホイール側面形状を選択すると、不要なホイール側面形状パラメータがすべて削除されます。
- 機械のマニュアルを参照してください。
機械メーカーはヘルプ画像を変更できます。
研削ホイールのホイール側面形状の定義 (#156 / #4-04-1)
次のように、正面には FORM 4、軸側には FORM 6 を定義します: | ||
| ||
|
注意事項
- 工具表 tool.t の形状値、例えば長さや半径は、研削工具では無効です。
- 研削工具をドレッシングする際、作業エリア「シミュレーション」で工具キャリアが非表示になります。
- 正しいデルタ値が入力されるように、ドレッシング後に研削工具を計測してください。
- 一意の工具名を定義してください。
複数の工具に同じ工具名が定義されている場合、コントローラは次の順序で工具を検索します:
- スピンドル内の工具
- マガジン内の工具
- Machine
機械のマニュアルを参照してください。
複数のマガジンがある場合は、機械メーカーがマガジン内の工具の検索順序を指定することができます。
- 工具表で定義されているが、現在マガジン内にない工具
例えば工具マガジンに複数の使用可能な工具がある場合は、残り寿命が最も短い工具が取り付けられます。
- 工具マネージャのデルタ値は、シミュレーションでグラフィック表示されます。NC プログラムや補正表のデルタ値の場合、シミュレーションで変更されるのは工具の位置のみです。
- 工具表をアーカイブする場合やシミュレーションに使用する場合は、対応するファイル拡張子を付けてファイルを他のファイル名で保存します。
- 機械パラメータ unitOfMeasure (No. 101101) で測定単位をインチに定義します。工具表の測定単位はそれによって自動的には変更されません。
- 研削工具では 3D 半径補正はできません。
- 長さに必要なパラメータは、研削工具タイプによって異なります。工具マネージャの作業エリア「フォーム」で、選択した工具タイプでパラメータがフィルタリングされます。
L-OVR のエッジに半径 RV が存在する場合があります。L-OVR を測定するときは、半径 RV を考慮してはなりません。隣接する切刃の交点で L-OVR を測定します。
- いずれかのホイール側面形状を選択した場合、半径 RV および RV1 をサイクル 1012 DRESSING D AND A/I でドレッシングできます。これを行うには、次のパラメータを等しく設定します:
- A_R1 = RV
- I_R1 = RV1
ドレッシングサイクルでは、パラメータ A_R1 と I_R1 のみが考慮されます。