サイクル 1041 LONG STROKE DEF. (#156 / #4-04-1)

ISO プログラミング

G1041

用途

定義サイクル 1041 LONG STROKE DEF. で、輪郭に沿った往復動作を定義します。

加工する輪郭は、使用する研削工具の刃よりも長くなければなりません。輪郭のほうが短い場合、ハイデンハインはサイクル 1042 SHORT STROKE DEF. を推奨します。

サイクル 1042 SHORT STROKE DEF. (#156 / #4-04-1)

支持位置と折り返し点までの間隔を使用して、往復動作を定義します。

支持位置により、特に円錐形のワークでの円筒研削加工のプログラミングが容易になります。ワーク座標系 W-CS でのプログラミングおよび支持位置の柔軟な選択により、寸法が図面から直接適用されます。必要な移動動作が自動で計算されます。

サイクル 1041 LONG STROKE DEF. では、サイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND とともに、直径、肩面、平面の輪郭を処理できます。加工は、直線の往復動作と往復ストロークの折り返し点での切込み動作で構成されます。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
Q1058 PRE-POSITIONING MODE を値 0 でプログラミングすると、すべての安全位置が無視されます。Q200 SET-UP CLEARANCEQ260 CLEARANCE HEIGHT および Q1031 SAFE DIAMETER に作用はありません。現在の位置から始点まで直接移動します。衝突の危険があります!
  1. 可能であれば、Q10580 以外でプログラミングします
  2. シミュレーションでシーケンスを点検します
 
注意事項
衝突の危険に注意!
工具を傾斜させて、ワークに接近させるには、十分なスペースが必要です。加工中、特に内側加工時には衝突の危険があります。
  1. シミュレーションでシーケンスを点検します
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE GRIND でのみ実行可能です。
  • このサイクルは CALL 有効 です。
  • サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING で、円筒研削加工の終わりにサイクル 1041 LONG STROKE DEF. の設定をリセットします。
  • 切込み方向は、プログラミングするパラメータに直接影響します。
  • X または Z 座標を使用し、切込み方向に応じて次のパラメータをプログラミングします:

  • 切込み方向

    直径の X 座標

    Z 座標

    X 軸

    • Q368 OVERSIZE OF BLANK
    • Q1044 OFFSET 1
    • Q1045 OFFSET 2

    Z 軸

    • Q1044 OFFSET 1
    • Q1045 OFFSET 2
    • Q368 OVERSIZE OF BLANK

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q1040 X軸のサポート位置を確認

加工面 ZX の X 軸の位置

支持位置は最終輪郭上にあり、自由に選択できます。図面内で寸法が指定された位置が最適です。 この値は絶対値です。

入力:0...9999.99999

Q1041 Z軸のサポート位置を確認

加工面 ZX の Z 軸の位置

支持位置は最終輪郭上にあり、自由に選択できます。図面内で寸法が指定された位置が最適です。 この値は絶対値です。

入力:-9999.9999...+9999.9999

Q1042 送り方向は?

軸と切り込む方向:

  • 0: X–
  • 1: X+
  • 2: Z–
  • 3: Z+

選択メニューを使用して選択できます (例:0 I X–)

入力:0123

Q368 機械加工前、大型サイズ?

研削加工前の完成部品に存在する許容値。許容値は切込み方向と反対に作用します。

許容値は、径方向切込みで直径に作用し、インクリメンタル値です。

入力:0...99.99999

Q1043 テーパ角は?

円錐の開口角の定義:

>0:円錐は上に向かって正の Z 軸方向に狭くなります。

<0:円錐は上に向かって正の Z 軸方向に広くなります。

入力:-180...+180

Q1044 レシプロ位置1のオフセットを確認

支持位置と折り返し点 1 間の間隔

往復ストロークの長さは、Q1044Q1045 の合計です。

オフセットは切込み方向に対して垂直です。 この値はインクリメンタル値です。

入力:–9999.99999...+9999.99999

Q1045 レシプロ位置2のオフセットを確認

支持位置と折り返し点 2 間の間隔

往復ストロークの長さは、Q1044Q1045 の合計です。

オフセットは切込み方向に対して垂直です。 この値はインクリメンタル値です。

入力:–9999.99999...+9999.99999

Q1001 レシプロの送り速度は?

往復ストロークの速度 (mm/min)。

入力:0...999999

Q1046 レシプロ位置1での滞留時間を確認

研削工具が折り返し点 1 で滞留する時間 (秒)。

入力:0...+999.9

Q1047 レシプロ位置2での滞留時間を確認

研削工具が折り返し点 2 で滞留する時間 (秒)。

入力:0...+999.9

Q1048 開始位置と終了位置は? (オプション)

開始位置と終了位置の定義

選択によって、最初の往復ストロークの方向が決まります。

開始位置

終了位置

11

折り返し点 1

折り返し点 1

12

折り返し点 1

折り返し点 2

10

折り返し点 1

折り返し点 1 または 2

21

折り返し点 2

折り返し点 1

22

折り返し点 2

折り返し点 2

20

折り返し点 2

折り返し点 1 または 2

選択リストを使用して選択できます (12 I で、P1 で開始、P2 で終了など)

入力:10, 11, 12, 21, 22, 20

Q1049 研磨ホイールエッジは? (オプション)

研削ホイールエッジまたは研削工具の切刃の定義

選択メニューを使用して選択できます。

入力:100...760

Q1049 研削ホイールエッジの選択

Q253 事前集積のための送り速度? (オプション)

事前位置への接近時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.9999 または FMAXFAUTOPREDEF

Q1058 事前位置決めのモードは? (オプション)

研削工具をプリポジショニングし、加工中に傾斜させるかどうかの定義:

0: 研削工具はプリポジショニングされず、安全位置に移動しません。工具は傾斜されません。

1: 研削工具がプリポジショニングされ、研削工具が Q531 ANGLE OF INCIDENCE で傾斜します。

2: 研削工具がプリポジショニングされ、研削工具が自動計算された傾斜角度で傾斜します。

入力:012

定義サイクルの位置決め動作

Q260 安全高さ? (オプション)

ワークとの衝突が生じない位置。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999 または PREDEF

Q1031 安全な直径は? (オプション)

ワークと工具が衝突しない直径。 この値は絶対値です。

Q1040 SUPPORT POSITION X より小さい直径の場合、内側加工が想定されます。

入力:0...9999.99999 または PREDEF

Q200 セットアップ許容値? (オプション)

折り返し点 1 における工具と輪郭間の間隔

間隔は切込み方向と反対に作用します。セットアップ許容値は径方向に作用し、インクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q497 先行角度? (オプション)

工具軸を中心に座標系を回転させる角度。

この方法は、場所が足りないために工具を特定の位置に設置する必要がある場合、または加工プロセスの監視機能を向上させたい場合に必要です。

入力:0...359.99999

Q530 傾斜角動作を確認 (オプション)

傾斜加工時の位置決め動作

1 - MOVE:回転軸が位置決めされ、リニア主軸で調整動作が行われます。 調整動作は、位置決め中に工具とワーク間の相対的位置が変わらないようにします。

2 - TURN:回転軸のみが位置決めされ、調整動作は行われません。

入力:12

Q531 入射角度? (オプション)

ワークに対する工具の傾斜角度

Q1058=2 の場合、このパラメータに作用はありません。

入力:-180...+180

Q533 入射角度の優先方向? (オプション)

代替傾斜オプションの選択。ユーザーが定義した傾斜角度から、存在する回転軸に適した位置を計算する必要があります。通常は 2 つのソリューションがあります。どのソリューションを使用するか、パラメータ Q533 で定義します:

0:現在の位置から最も短い距離にあるソリューション

-1:0°~ -179.9999° の範囲にあるソリューション

+1:0°~ +180° の範囲にあるソリューション

-2:-90°~ -179.9999° の範囲にあるソリューション

+2:+90°~ +180° の範囲にあるソリューション

入力:-2-10+1+2

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 1041 LONG STROKE DEF. ~

Q1040=+0

;SUPPORT POSITION X ~

Q1041=+0

;SUPPORT POSITION Z ~

Q1042=+0

;INFEED DIRECTION ~

Q368=+1

;OVERSIZE OF BLANK ~

Q1043=+0

;TAPER ANGLE ~

Q1044=-100

;OFFSET 1 ~

Q1045=+0

;OFFSET 2 ~

Q1001=+1000

;RECIP. FEED RATE ~

Q1046=+0

;DWELL TIME 1 ~

Q1047=+0

;DWELL TIME 2 ~

Q1048=+11

;START AND END POS. ~

Q1049=+121

;WHEEL EDGE ~

Q253=+750

;F PRE-POSITIONING ~

Q1058=+2

;PRE-POSITIONING MODE ~

Q260=+100

;CLEARANCE HEIGHT ~

Q1031=+100

;SAFE DIAMETER ~

Q200=+2

;SET-UP CLEARANCE ~

Q497=+0

;PRECESSION ANGLE ~

Q530=+1

;INCLINATION BEHAVIOR ~

Q531=+0

;ANGLE OF INCIDENCE ~

Q533=+0

;PREFERRED DIRECTION

Q1049 研削ホイールエッジの選択

パラメータ Q1049 で、研削工具を位置決めするために使用する研削ホイールエッジを定義します。

研削ホイールエッジは次のように定義できます:

切刃
研削ホイールエッジ

研削工具の切刃の選択 xx1 / xx0

最初の 2 桁で、サイクルで使用される研削工具の切刃を定義します。

切刃を定義することにより、工具表の各工具角度が考慮されます (傾斜角度 ALPHA など)。

傾斜角度 Q1058=2 の自動計算をプログラミングした場合は、工具角度が必要です。傾斜角度は、切刃の角度と加工する輪郭によって異なります。

さらに、往復経路を計算するときに切刃の長さを考慮することもできます。この選択は 3 桁目で定義します。

xx1:切刃を考慮する
xx0:切刃を考慮しない

xx1:切刃長さを考慮した切刃の選択

これを選択すると、往復ストロークを計算するときに切刃の長さが考慮されます。

下側の研削ホイールエッジで下側の折り返し点に移動し、上側の研削ホイールエッジで上側の折り返し点に移動します。

入力

切刃

研削ホイールエッジ

工具角度

傾斜用

121

1~2

自動

ALPHA

231

2~3

自動

BETA

291

2~9

自動

ALPHA

561

5~6

自動

ALPHA

671

6~7

自動

BETA

691

6~9

自動

ALPHA

軸付砥石
特殊な軸付砥石
カップホイール

例:研削ホイールエッジ 121

xx0:切刃長さを考慮しない切刃の選択

これを選択すると、往復ストロークを計算するときに切刃の長さが考慮されません

同じ研削ホイールエッジで折り返し点 1 と折り返し点 2 に移動します。

入力

切刃

研削ホイールエッジ

工具角度

傾斜用

120

1~2

1

ALPHA

210

2~1

2

ALPHA

230

2~3

2

BETA

290

2~9

2

ALPHA

320

3~2

3

BETA

560

5~6

5

ALPHA

650

6~5

6

ALPHA

670

6~7

6

BETA

690

6~9

6

ALPHA

760

7~6

7

BETA

軸付砥石
特殊な軸付砥石
カップホイール

例:研削ホイールエッジ 120

x00:研削ホイールエッジの選択

最初の数字で、サイクルで使用される研削ホイールの研削ホイールエッジを定義します。

研削ホイールエッジは、隣接する切刃の交点、または切刃と工具軸の交点のいずれかにあります。

このサイクルは、切刃の長さを考慮せず、自動傾斜角度 (Q1058=2) を計算しません。

選択肢:

  • 100:研削ホイールエッジ 1
  • 200:研削ホイールエッジ 2
  • 300:研削ホイールエッジ 3
  • 500:研削ホイールエッジ 5
  • 600:研削ホイールエッジ 6
  • 700:研削ホイールエッジ 7
軸付砥石
特殊な軸付砥石
カップホイール

例:研削ホイールエッジ 100

例:Q1049 研削ホイールエッジの選択

例:研削ホイールエッジ 121

加工は研削ピンとパラメータ Q1049=121 で行われます。

研削工具が傾斜し、切刃長さが考慮されます。

円筒

円錐

例:研削ホイールエッジ 120

加工は研削ピンとパラメータ Q1049=120 で行われます。

研削工具は傾斜しますが、切刃長さが考慮されません

円筒

円錐

例:研削ホイールエッジ 100

加工は研削ピンとパラメータ Q1049=100 で行われます。

研削工具は傾斜せず、切刃長さも考慮されません。

円筒

円錐