サイクル 287 歯車のスカイビング加工 の技術表 (#157 / #4-05-1)

使用

サイクル 287 GEAR SKIVING では、サイクルパラメータ QS240 NUMBER OF CUTS を使って技術データの表を呼び出すことができます。この表は任意に定義可能な表で、*.tab 形式です。テンプレート Proto_Skiving.TAB が提供されます。この表で、各個別の切削に関して次のデータを指定します。

  • 送り速度
  • 側面切込み
  • 側面オフセット
  • ワークの角度オフセット
  • 必要に応じて、個々の歯面ライン用のプロファイルプログラム

条件

  • ソフトウェアオプション Gear Cutting (#157 / #4-05-1)

技術表のパラメータ

表のパラメータ

技術データの表には次のパラメータが含まれます:

パラメータ

機能

NR

表の行番号と一致する切削の番号

入力:0...99999

FEED

切削の送り速度 (mm/rev または 1/10 inch/rev)

このパラメータは次のサイクルパラメータと置き換えられます:

  • Q588 FIRST FEED RATE
  • Q589 LAST FEED RATE
  • Q580 FEED-RATE ADAPTION

入力:0...9999.999

INFEED

切削の側面切込み。入力はイクリメンタル値です。

このパラメータは次のサイクルパラメータと置き換えられます:

  • Q586 FIRST INFEED
  • Q587 LAST INFEED

入力:0...99.99999

dY

工具とワーク間の側面オフセット

オフセット「dY」を使用すると、歯面の片側のみを加工することができます。このため、dY を使用すると、場合によっては、表面の品質を高めることができます。

入力した値は歯面プロファイルの歪みにつながる可能性があり、工具切刃のプロファイルでの考慮が必要になる場合があります。

入力:–9.99999...+9.99999

dK

ワークの角度オフセット

角度オフセット「dK」を使用すると、歯面の片側のみを加工することができます。これにより、場合によっては、表面の品質を高めることができます。入力した値は歯面プロファイルの歪みにつながる可能性があり、工具切刃のプロファイルでの考慮が必要になる場合があります。

入力:–9.99999...+9.99999

PGM

個々の歯面ライン用のプロファイルプログラム

歯面ラインのプロファイルプログラム

注意事項

  • 単位がミリメートルかインチかは、NC プログラムの単位によって決まります。
  • ハイデンハインでは、個別の切削で最小オフセット値 dY および最小オフセット値 dK のみをプログラミングすることを推奨しています。そうしないと、場合によっては輪郭が損傷します。
  • dYdK の 2 つの値を互いに組み合わせることができます。
  • 側面切込み INFEED の合計が歯の高さである必要があります。
    • 歯の高さが全切込みより大きい場合、警告が出力されます。
    • 歯の高さが全切込みより小さい場合、エラーメッセージが出力されます。
  • 例:

    • TOOTH HEIGHT (Q563) = 2 mm
    • 切削数 (NR = 15
    • 側面切込み (INFEED) = 0.2 mm
    • 全切込み = NR * INFEED = 3 mm
    • この場合、歯の高さは全切込みより小さくなっています (2 mm < 3 mm)。

    • 切削数を 10 に減らしてください。

歯面ラインのプロファイルプログラム

別の NC プログラムで個別の歯面ライン 1 をプログラミングできます (歯面に関する最小球形性など)。

プロファイルプログラムでは、以下の点に注意する必要があります。

  • 送り速度をプログラミングすることはできません。
  • プリポジショニングおよびオーバーラップ経路がサイクルによって自動的に計算され、実行されます。
  • 旋削加工モードで、必要に応じて、有効な直径または半径プログラミングを考慮してください。
  • プロファイルプログラミングのゼロ点は、歯面の始点にあります。
 
Tip

パラメータ Q584 NO. OF FIRST CUT を使用して、NC プログラムで有効な切削番号を読み取り、評価することができます。

使用例:

完成した歯車を使用する場合、多くの場合、歯の接触を介して大きな力が伝達されます。この大きな力により、例えば、材料の変形が発生する可能性があり、その結果、歯面に不均一な荷重分布が発生する場合があります。この不均一な荷重分布により、歯車が摩耗するおそれがあります。歯車で発生する可能性のある摩耗を軽減または回避するために、歯面ラインを最適化できます (歯面のクラウニングを最小にするなどによる)。

技術表とプロファイルプログラムを使用したスカイビングの例