基本事項
用途
旋削加工と同様に、円筒研削では回転対称のワークを加工できます。旋削工具の代わりに研削工具を使用します。円筒研削を使うことにより、旋削加工の場合よりも高い精度と高品質の表面が実現されます。加工は加工モード FUNCTION MODE GRIND で行われます。
ロングストローク研削とショートストローク研削のサイクルで円筒研削が可能です。これらのサイクルには、研削工具用の特別な動作シーケンスがあります。そこでは、回転対称の輪郭に沿って往復ストロークを定義できます。
円筒研削には以下の加工方法があります:
- 円筒研削 (ロングストローク)
往復動作の折り返し点へ段階的に切り込みます。 この方法は、使用する研削工具の刃よりも長い輪郭に使用されます。
- 円筒研削 (ショートストローク)
往復動作中に輪郭に沿って連続的に切り込みます。 この方法は、使用する研削工具の刃よりも短いか、または最小限だけ長い輪郭に使用されます。
関連項目
- 研削工具の半径と長さを修正する
- ドレッシングのサイクル
- 座標研削のサイクル
条件
- ソフトウェアオプション Grinding (#156 / #4-04-1)
- 少なくとも 2 つの回転軸があり、そのうちの 1 つが回転テーブル軸である機械
- 研削加工用のキネマティクス記述がある
機械メーカーがキネマティクス記述を作成します。
機能説明
円筒研削サイクル
円筒研削加工は常に定義サイクル、切込みサイクル、および完了サイクルで構成されます。コントローラでは以下のサイクルを使用できます:
- サイクル 1041 LONG STROKE DEF., 参照 サイクル 1041 LONG STROKE DEF. (#156 / #4-04-1)
- サイクル 1042 SHORT STROKE DEF., 参照 サイクル 1042 SHORT STROKE DEF. (#156 / #4-04-1)
- サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING, 参照 サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING (#156 / #4-04-1)
- サイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND, 参照 サイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND (#156 / #4-04-1)
- サイクル 1053 CONTINOUS CYLIND.GRIND., 参照 サイクル 1053 CONTINOUS CYLIND.GRIND. (#156 / #4-04-1)
さまざまな切込みサイクルを使用して、あらゆる粗加工および仕上加工をプログラミングできます。
次の表は、対応する加工のサイクルの組み合わせを示しています。
サイクルグループ | 円筒研削サイクル |
---|---|
定義サイクルの開始 | サイクル 1041 LONG STROKE DEF. |
切込みサイクル | サイクル 1051 STEP.CYLIND.GRIND |
定義サイクルの終了 | サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING |
サイクルグループ | 円筒研削サイクル |
---|---|
定義サイクルの開始 | サイクル 1042 SHORT STROKE DEF. |
切込みサイクル | サイクル 1053 CONTINOUS CYLIND.GRIND. |
定義サイクルの終了 | サイクル 1040 END CYLIND.GRINDING |
切込みはワーク座標系 W-CS の半径または軸方向に行われます。
また、プログラミングは常に ZX 加工面で行われます。機械が実際の動きにどの軸を使用するかは、機械キネマティクスによって異なります。円筒研削サイクルを含む NC プログラムは、機械キネマティクスからほとんど独立しています。
円筒研削加工では、工具は研削ホイールエッジに接する方向に向けられます。定義サイクルで目的の研削ホイールエッジを選択します。選択したエッジは定義された輪郭に適合する必要があります。
プログラム構成
パターン:円筒研削
次の表は、円筒研削サイクルのプログラム構成の例を示しています:
0 BEGIN PGM GRIND MM |
---|
1 FUNCTION MODE GRIND |
2 TOOL CALL "GRIND_1" S20000 |
3 CYCL DEF 1041 LONG STROKE DEF. |
... |
4 CYCL CALL |
5 CYCL DEF 1051 STEP.CYLIND.GRIND - 粗加工 |
... |
6 CYCL CALL |
7 CYCL DEF 1051 STEP.CYLIND.GRIND - 仕上加工 |
... |
8 CYCL CALL |
9 CYCL DEF 1051 STEP.CYLIND.GRIND- 精密な仕上加工 |
... |
10 CYCL CALL |
11 CYCL DEF 1040 END CYLIND.GRINDING |
... |
12 CYCL CALL |
13 END PGM GRIND MM |
説明
折り返し点
往復位置 P1 および P2 とも呼ばれる折り返し点は、往復ストロークの上限および下限です。