工具の基準点

コントローラはさまざまな計算や用途のために、次の工具の基準点を区別します。

工具キャリア基準点

フライス工具

旋削工具

研削工具

工具キャリア基準点は、機械メーカーによって定義される特定の点です。通常、工具キャリア基準点はスピンドルノーズ上にあります。

工具キャリア基準点を起点として、長さ L や半径 R などの工具寸法を工具マネージャで定義します。

工具管理

罫書きによる工具の測定

工具先端 TIP

フライス工具

旋削工具

研削工具

工具座標系 T-CS

工具キャリア基準点を基準にした工具の基本値とデルタ値を使用して、工具先端の位置を定義します。

工具パラメータ

フライス工具の場合、工具先端は工具直径の中心にあり、工具軸の中で最も長い工具点になります。

旋削工具 (#50 / #4-03-1) の場合、理論上の工具先端、つまり測定された最も長い値 ZLXL および YL が使用されます。

研削工具 (#156 / #4-04-1) の場合、工具先端は工具直径の中心にあり、工具軸の中で最も長い工具点になります。

次の研削工具の場合、いくつかのパラメータから最も長い工具点が算出されます:

  • アングル砥石
  • L-OVRALPHA および B

  • ストレート砥石 および 対向砥石
  • L-OVR および B

工具先端は、図を作成するための補助点になります。NC プログラムの座標系は、工具ガイド点に基づいています。

工具ガイド点 TLP (tool location point)

工具中心点TCP (tool center point)

フライス工具

旋削工具

研削工具

工具中心点 TCP は工具直径の中心です。工具半径 2 R2 が定義されている場合、工具中心点はこの値の分だけ、工具先端からずれています。

旋削工具 (#50 / #4-03-1) の場合、工具中心点は切断半径 RS の中心にあります。

研削工具 (#156 / #4-04-1) の場合に下部工具エッジ RV1 で半径が定義されている場合、工具中心点はこの値の分だけ、工具先端からずれています。

工具マネージャ内の入力内容を使用して、工具キャリア基準点を基準にして工具中心点を定義します。

工具管理

工具中心点は、図を作成するための補助点になります。NC プログラムの座標系は、工具ガイド点に基づいています。

工具ガイド点 TLP (tool location point)

工具ガイド点 TLP (tool location point)

コントローラが工具を工具ガイド点 TLP に位置決めします。デフォルトでは、工具ガイド点は工具先端にあります。

FUNCTION TCPM (#9 / #4-01-1) 機能内で、工具中心点にある工具ガイド点を選択することも可能です。

工具配置を FUNCTION TCPM で補正 (#9 / #4-01-1)

円筒研削加工 (#156 / #4-04-1) の場合は、研削ホイールエッジを選択します。工具ガイド点が選択した研削ホイールエッジに設定されます。

研削ホイールエッジと研削工具の切刃

工具旋回点 TRP (tool rotation point)

MOVE (#8 / #1-01-1) を使用した旋回機能では、コントローラが工具旋回点 TRP を中心に旋回します。デフォルトでは、工具旋回点は工具先端にあります。

PLANE 機能で MOVE を選択するときは、構文要素 DIST を使用して、ワークと工具間の相対的位置を定義します。工具旋回点がこの値の分だけ工具先端からずれます。DIST を定義しない場合は、工具先端が一定に保たれます。

回転軸の位置決め

FUNCTION TCPM (#9 / #4-01-1) 機能内で、工具中心点にある工具旋回点を選択することも可能です。

円筒研削加工 (#156 / #4-04-1) の場合は、研削ホイールエッジを選択します。工具旋回点が選択した研削ホイールエッジに設定されます。

研削ホイールエッジと研削工具の切刃

工具半径 2 の中心 CR2 (center R2)

工具半径 2 の中心は、3D 工具補正 (#9 / #4-01-1) との関連で使用されます。直線 LN では、面法線ベクトルがこの点を示し、3D 工具補正の方向を指定します。

3D 工具補正 (#9 / #4-01-1)

工具半径 2 の中心は、R2 値の分だけ工具先端と切刃からずれます。

工具半径 2 の中心は、図を作成するための補助点になります。NC プログラムの座標系は、工具ガイド点に基づいています。

工具ガイド点 TLP (tool location point)