傾斜方法
用途
多くの場合、定義された空間角はさまざまな回転軸動作により実現できます。
例えば、衝突などの理由により特定のソリューションを得るために、回転軸をプリポジショニングしたり、SYM (SEQ) をプログラミングしたりすることができます。
機能説明
機械メーカーがオプションの機械パラメータ prohibitSEQ (No. 201209) を使用して、SYM に加えて SEQ も選択肢として提供するかを定義します。
SYM 機能がすべての機械キネマティクスに適しているため、ハイデンハインではこれを推奨しています。
機械キネマティクスに応じて動作が変化するため、必ずしも SEQ を SYM に置き換える必要はありません。
選択肢 | 意味 |
---|---|
SYM | SYM は、第 1 回転軸の対称点を基準にした旋回ソリューションを選択するのに使用します。 対称点は回転軸の中心です。 第 1 回転軸は工具を起点にして 1 つ目の回転軸か、またはテーブルを起点にして最後の回転軸です。 |
SEQ |
SYM の基準:A = -90° | SEQ の基準:A = 0° |
SYM または SEQ の入力は任意です。
SYM (SEQ) を定義しない場合、回転軸の現在の位置を起点にして、回転軸動作が最小のソリューションが選択されます。
機械の移動範囲内に旋回ソリューションがない場合、エラーメッセージ「入力角度が許されません」が出力されます。これは、SYM (SEQ) を定義するかしないかには関係ありません。
傾斜方法 SYM
SYM 機能により、第 1 回転軸の対称点を基準にしたいずれかのソリューションを選択します:
- SYM+ は正の半空間に位置決めします
- SYM- は負の半空間に位置決めします
SYM は SEQ とは異なり、第 1 回転軸の対称点を基準として使用します。各第 1 回転軸には、180° 離れた 2 つの対称位置があります。ただし、場合によっては、機械の移動範囲内に対称位置が 1 つだけのこともあります。
次の手順で対称点を算出します。
- PLANE SPATIAL を、任意の立体角および SYM+ で実行します
- 第 1 回転軸の軸角度、例えば、-80 を Q パラメータに保存します
- PLANE SPATIAL 機能を SYM- で繰り返します
- マスター軸の軸角度、例えば、-100 を Q パラメータに保存します
- 平均値を出します、例えば、-90
平均値が、対称点に相当します。
傾斜方法 SEQ
SEQ 機能により、第 1 回転軸の基本位置を基準にしたいずれかのソリューションを選択します:
- SEQ+ は正の旋回エリアに位置決めします
- SEQ- は負の旋回エリアに位置決めします
SEQ は、第 1 回転軸の基本位置 0° を起点とします。両方のソリューションが正または負の範囲内にある場合、現在の位置を起点にして、回転軸動作が最小の旋回ソリューションが自動的に使用されます。2 番目のソリューションが必要な場合、加工面を旋回させる前に回転軸を (2 番目のソリューションの範囲) にプリポジショニングするか、または SYM で作業します。
例
リミットスイッチ | 開始位置 | SYM = SEQ | 軸位置の結果 |
---|---|---|---|
なし | A+0、C+0 | プログラミングなし | A+45、C+90 |
なし | A+0、C+0 | + | A+45、C+90 |
なし | A+0、C+0 | – | A–45、C–90 |
なし | A+0、C-105 | プログラミングなし | A–45、C–90 |
なし | A+0、C-105 | + | A+45、C+90 |
なし | A+0、C-105 | – | A–45、C–90 |
–90 < A < +10 | A+0、C+0 | プログラミングなし | A–45、C–90 |
–90 < A < +10 | A+0、C+0 | + | エラーメッセージ |
–90 < A < +10 | A+0、C+0 | - | A–45、C–90 |
SYM | SEQ | 軸位置の結果 | キネマティクスビュー |
---|---|---|---|
+ | A-45、B+0 | ||
- | エラーメッセージ | 制限された範囲では方法がありません | |
+ | エラーメッセージ | 制限された範囲では方法がありません | |
- | A-45、B+0 |
対称点の位置はキネマティクスによって異なります。キネマティクスを変更すると (例えば、ヘッド交換)、対称点の位置が変わります。
キネマティクスに依存して SYM の正の回転方向は SEQ の正の回転方向には対応しません。そのため、プログラミングに先立ち、機械ごとに対称点の位置および SYM の回転方向を算出してください。