M120 を使用して、半径補正輪郭を事前に計算する

用途

コントローラは M120 を使用して、半径補正された輪郭を事前計算します。それにより、コントローラは輪郭を損傷したりエラーメッセージを表示したりせずに、工具半径よりも小さい輪郭を加工できます。

機能説明

作用

M120 はブロックの先頭で、フライス加工のサイクルを越えて作用します。

以下の NC 機能M120 をリセットします。

  • M120 LA0
  • M120LA なし
  • 半径補正 R0
  • 退避機能 (DEP LT など)

適用例

M97 を使用する輪郭ステップ

M120 を使用する輪郭ステップ

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 TOOL CALL 8 Z S5000

:直径 16 の工具を取り付ける

* - ...

21 L X+0 Y+30 RL M120 LA2

:輪郭の事前計算を有効にし、加工面上で移動する

22 L X+10

23 L Y+25

24 L X+50

25 L Y+23

26 L X+100

コントローラは NC ブロック 21M120 LA2 を使用して、半径補正された輪郭にアンダーカットがないか点検します。この例では、コントローラは 2 つの NC ブロックそれぞれに対して、現在の NC ブロック以降の工具経路を事前計算しています。その後、工具は半径補正されて、最初の輪郭点に位置決めされます。

輪郭の加工時に、コントローラは工具経路を、工具が輪郭を損傷しない程度にその都度延長します。

M120 を使用しない場合、工具は移行円を外側コーナーを回って移動するため、輪郭損傷を引き起こすことがあります。そのような箇所では、エラーメッセージ「工具半径が大きすぎます」が表示されて、加工が中断されます。

入力

M120 を定義すると、ダイアログが続行され、事前に計算する NC ブロック LA の数が照会されます (最大 99)。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
事前に計算する NC ブロック LA の数はできるだけ少なく定義してください。選択した値が大きすぎると、輪郭の一部が読み取られない可能性があります。
  1. NC プログラムを処理前にシミュレーションによってテストします
  2. NC プログラムをゆっくりと実行します
  • その他の加工では、輪郭コーナーに残材が残っていることに注意してください。場合によっては、より小さい工具で輪郭ステップを再加工する必要があります。
  • 半径補正と同様に M120 を常に同じ NC ブロックでプログラミングすると、分かりやすい一定したプログラミング手順で作業ができます。
  • 半径補正を有効にして、例えば以下の機能が処理される場合、プログラムランが中断され、エラーメッセージが表示されます。
    • PLANE 機能 (#8 / #1-01-1)
    • M128 (#9 / #4-01-1)
    • FUNCTION TCPM (#9 / #4-01-1)
    • CALL PGM
    • サイクル 12 PGM CALL
    • サイクル 32 TOLERANCE
    • サイクル 19 WORKING PLANE
    •  
      Tip

      サイクル 19 WORKING PLANE を含む旧型のコントローラの NC プログラムは、引き続き処理できます。

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

0 BEGIN PGM "M120" MM

1 BLK FORM 0.1 Z X+0 Y+0 Z-10

2 BLK FORM 0.2 X+110 Y+80 Z+0

:ブランク定義

3 TOOL CALL 6 Z S1000 F1000

:直径 12 の工具を取り付ける

4 L X-5 Y+26 R0 FMAX M3

:加工面上で移動する

5 L Z-5 R0 FMAX

:工具軸で切り込む

6 L X+0 Y+20 RL F AUTO M120 LA5

:輪郭の事前計算を有効にし、最初の輪郭点に接近する

7 L X+40 Y+30

8 CR X+47 Y+31 R-5 DR+

9 L X+80 Y+50

10 L X+80 Y+45

11 L X+110 Y+45

:最後の輪郭点に接近する

12 L Z+100 R0 FMAX M120

:工具を退避させて、M120 をリセットする

13 M30

:プログラムラン終了

14 END PGM "M120" MM

説明

略語

説明

LA (look ahead)

事前計算のブロック数