ねじ切りフライス加工の基本事項
条件
- 機械にはスピンドル内部冷却装置 (冷却潤滑剤は最低 30 bar、圧縮空気は最低 6 bar) が装備されています。
- ねじ切りフライス加工では通常、ねじ山形状に歪みが生ずるため、工具固有の補正が必要になります。それについては工具カタログをご覧いただくか、工具メーカーにお問合せください (補正は、TOOL CALL のデルタ半径 DR で行います)。
- 左カットの工具 (M4) を使用する場合、Q351 でのフライス加工の方法が反対になることに注意してください。
- 加工方向は次の入力パラメータから求めることができます:ねじピッチ Q239 の符号 (+ = 右ねじ、- = 左ねじ) およびミリング加工方法 Q351 の符号 (+1 = 順方向、-1 = 逆方向)。
次の表からは、右回転工具の場合の入力パラメータ間の関係を読み取ることができます。
内ねじ | ピッチ | ミリング加工方法 | 加工方向 |
---|---|---|---|
右回り | + | +1(RL) | Z+ |
左回り | - | -1(RR) | Z+ |
右回り | + | -1(RR) | Z- |
左回り | - | +1(RL) | Z- |
外ねじ | ピッチ | ミリング加工方法 | 加工方向 |
---|---|---|---|
右回り | + | +1(RL) | Z- |
左回り | - | -1(RR) | Z- |
右回り | + | -1(RR) | Z+ |
左回り | - | +1(RL) | Z+ |
注意事項
衝突の危険に注意!
プランジの指定を異なる符号でプログラミングすると、衝突が生じる可能性があります。
- 深さは、常に同じ符号でプログラミングしてください。例:パラメータQ356 COUNTERSINKING DEPTHをマイナスの符号でプログラミングする場合、パラメータ Q201 DEPTH OF THREADもマイナスの符号でプログラミングします
- 例えば、あるサイクルを座ぐり工程でのみ繰り返したい場合、DEPTH OF THREAD に 0 を入力することもできます。これにより、加工方向はCOUNTERSINKING DEPTHで決まります
注意事項
衝突の危険に注意!
工具破損時に工具が穴から出て、工具軸の方向に動くと、衝突が生じる可能性があります。
- 工具破損時はプログラムランを停止します
- 操作モード「手動操作 アプリケーション MDI」に切り替えます
- まず、工具を直線運動で穴の中心の方向に動かします
- 工具は工具軸方向に退避します
Tip
プログラミング上および操作上の注意:
- サイクル 8 MIRROR IMAGE と組み合わせてねじ切りサイクルを 1 本の軸だけで行うと、ねじの回転方向が変化します。
- ねじ切り加工のとき、プログラミングされた送り速度は工具の刃先を基準としています。ただし、コントローラは中心点経路を基準にして送り速度を表示するため、表示値はプログラミングされた値と一致しません。
- ねじ切りフライス加工サイクルを使用する場合、円筒キネマティクス CYLINDER SURFACE が有効になっていてはなりません。