サイクル 257 CIRCULAR STUD

ISO プログラミング

G257

使用

サイクル 257 を使用すると、円形スタッドを加工することができます。原材料の直径から、らせん状の切込みによって、円形スタッドが形成されます。

サイクルシーケンス

  1. 次に、工具が第 2 セットアップ許容値を下回っていると、第 2 セットアップ許容値の位置に戻されます。  
  2. 工具はスタッド中心からスタッド加工の開始位置へ移動します。開始位置は、パラメータ Q376 により、スタッド中心に対する極角度で指定します
  3. 工具がセットアップ許容値 Q200 の位置まで早送り FMAX で移動し、そこから最初の切込み深さまでプランジ送り速度で移動します
  4. 続いて、経路オーバーラップを考慮して、らせん状の切込みによって、円形スタッドが形成されます
  5. 工具は接線方向に輪郭から 2 mm 離されます
  6. 複数回の切込みが必要な場合、新しい切込みは退避動作に最も近い点で行われます
  7. プログラミングされたスタッド深さに達するまで、この工程が繰り返されます
  8. サイクルの最後に工具が接線方向へ離れた後、工具軸上をそのサイクルに設定されている第 2 セットアップ許容値に移動します。終点は始点と一致しません

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
サイクルで深さをプラスで入力すると、プリポジショニングの計算が反転します。工具は工具軸上でワークピース表面の下にセットアップ許容値の位置まで早送りで移動します。衝突の危険があります!
  1. 深さはマイナスで入力します
  2. 機械パラメータ displayDepthErr (No. 201003) により、深さをプラスで入力したときエラーメッセージを出す (on) か、あるいは出さない (off) かを設定します
 
注意事項
衝突の危険に注意!
接近動作に十分なスペースがスタッドの横にない場合、衝突の危険があります。
  1. 図によるシミュレーションでシーケンスを点検します。
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILL でのみ実行可能です。
  • 工具が工具軸上で自動的にプリポジショニングされます。Q204 2ND SET-UP CLEARANCEに注意してください。
  • このサイクルでは、Q369 ALLOWANCE FOR FLOORが 1 回の切込みでのみ仕上げ加工されます。パラメータ「Q338 INFEED FOR FINISHING」は、Q369 に影響を与えません。Q338 は、Q368 ALLOWANCE FOR SIDE の仕上げ加工に影響します。
  • 刃先の長さが、サイクルで入力された切込み深さ Q202 より短い場合は、切込み深さが工具表で定義されている刃先の長さ LCUTS に短縮されます。
  • このサイクルは定義された工具の使用長さ LU を監視します。LU 値が DEPTH Q201 よりも小さい場合、エラーメッセージが出力されます。

プログラミングの注意事項

  • 加工面の開始位置 (スタッドの中心) への工具のプリポジショニングは、半径補正 R0 で行います。
  • サイクルパラメータ「深さ」の符号で加工方向が決まります。深さを 0 でプログラミングした場合、サイクルは実行されません。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q223 仕上り品直径

加工完了後のスタッドの直径

入力:0...99999.9999

Q222 ワーク原材料の直径?

原材料の直径。原材料直径には仕上り品直径よりも大きい値を入力してください。原材料直径と仕上り品直径の差が許容側面切込み (工具半径 x 経路オーバーラップ Q370) よりも大きい場合は、側面切込みが複数回行われます。コントローラは常に一定の側面切込みを算出します。

入力:0...99999.9999

Q368 側面の仕上げ加工許容値?

粗加工後に残る加工面のオーバーサイズ。 この値はインクリメンタル値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q207 ミリング加工送り速度?

フライス加工時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.999 または FAUTOFUFZ

Q351 方向? 順方向=+1 逆方向=-1

フライス加工の種類。スピンドル回転方向が考慮されます:

+1 = 順方向のフライス加工

–1 = 逆方向のフライス加工

PREDEFGLOBAL DEF ブロックの値が適用されます

(0 を入力すると、加工は順方向になります)

入力:-10+1 または PREDEF

Q201 深さ?

ワークピース表面とスタッド底部間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q202 切込み深さ?

工具がその都度切り込む寸法。0 より大きな値を入力します。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q206 プランジ送り速度?

床面に移動するときの工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.999 または FAUTOFMAXFUFZ

Q200 セットアップ許容値?

工具先端とワークピース表面間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q203 ワークピース表面座標?

有効なゼロ点をもとにしたワークピース表面の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q204 第二セットアップ許容値?

工具とワークピース (クランプ装置) との衝突が生じないスピンドル軸の座標。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q370 経路オーバーラップ係数?

Q370 x 工具半径で側面切込み k が求められます。

入力:0.0001...1.9999 または PREDEF

Q376 開始角度?

工具がスタッドに接近するスタッドの中心点に対する極角度。

入力:-1...+359

Q215 加工範囲 (0/1/2)?

加工範囲を指定します:

0:粗加工と仕上加工

1:粗加工のみ

2:仕上加工のみ

入力:012

Q369 床面の仕上げ加工許容値?

粗加工後に残る深さのオーバーサイズ。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q338 仕上加工の切込み?

側面オーバーサイズ Q368 の仕上加工時の工具軸の切込み。 この値はインクリメンタル値です。

0: 切込みでの仕上加工

入力:0...99999.9999

Q385 仕上げ加工送り速度?

側面および床面の仕上加工時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.999 または FAUTOFUFZ

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 257 CIRCULAR STUD ~

Q223=+50

;FINISHED PART DIA. ~

Q222=+52

;WORKPIECE BLANK DIA. ~

Q368=+0

;ALLOWANCE FOR SIDE ~

Q207=+500

;FEED RATE MILLING ~

Q351=+1

;CLIMB OR UP-CUT ~

Q201=-20

;DEPTH ~

Q202=+5

;PLUNGING DEPTH ~

Q206=+3000

;FEED RATE FOR PLNGNG ~

Q200=+2

;SET-UP CLEARANCE ~

Q203=+0

;SURFACE COORDINATE ~

Q204=+50

;2ND SET-UP CLEARANCE ~

Q370=+1

;TOOL PATH OVERLAP ~

Q376=-1

;STARTING ANGLE ~

Q215=+1

;MACHINING OPERATION ~

Q369=+0

;ALLOWANCE FOR FLOOR ~

Q338=+0

;INFEED FOR FINISHING ~

Q385=+500

;FINISHING FEED RATE

12 L X+50 Y+50 R0 FMAX M99