M92 を使用して M92 座標系で移動させる

用途

M92 を使用して、安全な位置への接近用など、機械で固定の位置をプログラミングすることができます。M92 を使用した位置決めブロックの座標は、M92 ゼロ点を基準にし、M92 座標系で作用します。

機械内の基準点

機能説明

作用

M92 はブロックごとにブロックの先頭で作用します。

適用例

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 LBL "SAFE"

12 L Z+0 R0 FMAX M92

:工具軸で安全な位置に接近する

13 L X+0 Y+0 R0 FMAX M92

:平面で安全な位置に接近する

14 LBL 0

この場合、M92 はサブプログラムにあり、そこでまず工具軸で、次に平面 で、工具が安全な位置に移動します。

座標は M92 ゼロ点を基準にしているため、工具は必ず同じ位置に接近します。それにより、サブプログラムはワーク基準点に関係なく回転軸の傾斜の前などに NC プログラムで繰り返し呼び出すことができます。

M92 を使用しない場合、プログラミングされた座標はワーク基準点を基準にします。

機械内の基準点

 
Machine

安全な位置の座標は機械によって異なります。

機械メーカーは M92 ゼロ点の位置を定義します。

注意事項

  • コントローラは M92 による位置決めの際に、アクティブな工具半径補正を考慮します。
  • 工具半径補正

  • コントローラは工具キャリア基準点を使用して長さで位置決めします。
  • 機械内の基準点

  • 操作モード「エディタ」で「ワーク位置」ウィンドウを使用して、シミュレーション用に現在のワーク基準点を適用することができます。この状況で M92 を使用して移動動作をシミュレーションすることができます。
  • 「表示オプション」列

  • 機械メーカーはオプションの機械パラメータ distFromMachDatum (No. 300501) で、M92 ゼロ点の位置を定義します。