基本事項
用途
シミュレーションまたは処理用にクランプ状況を表示するために、クランプを 3D モデルとしてコントローラに統合できます。
DCM が有効になっている場合、シミュレーションまたは加工中、クランプの衝突を確認します (#40 / #5-03-1)。
関連項目
- 動的衝突監視 DCM (#40 / #5-03-1)
- STL ファイルをブランクとして統合する
条件
- キネマティクス記述
機械メーカーがキネマティクス記述を作成します
- マウントポイントが定義されている
機械メーカーは、いわゆるマウントポイントを使って、クランプを配置するための基準点を決定します。マウントポイントは、多くの場合、キネマティクスチェーンの末端部、例えば回転テーブルの中央にあります。マウントポイントの位置は、機械マニュアルを参照してください。
- 適切なフォーマットのクランプ:
- STL ファイル
- 最大 20 000 の三角形
- 三角メッシュは、閉じられた包絡線を形成します
- CFG ファイル
- M3D ファイル
機能説明
クランプ監視を使用するには、以下のステップが必要です:
- クランプを作成するか、コントローラにロードします
- クランプを配置します
- 「Set up fixtures」アプリケーションの「設定」機能 (#140 / #5-03-2)
- クランプを手動で配置します
- クランプを交換する場合は、NC プログラムのクランプをロードするか、削除します
- クランプとしてロードされた三爪チャック
クランプファイルでの選択肢
クランプを「Set up fixtures」機能で統合すると、STL ファイルのみが使用できます (#140 / #5-03-2)。
その他に、CFG ファイルと M3D ファイルを手動で設定できます。
3Dメッシュ (#152 / #1-04-1) 機能で、他のファイルタイプから STL ファイルを作成して、STL ファイルをコントローラの要件に合わせることができます。
STL ファイルを 3Dメッシュ (#152 / #1-04-1)
STL ファイルのクランプ
STL ファイルを使って、個々のコンポーネントでもモジュール全体でも、非可動のクランプとしてマッピングできます。STL フォーマットは、特にゼロ点クランプシステムおよび反復する固定に適しています。
STL ファイルがコントローラの要件を満たしていない場合は、エラーメッセージが出力されます。
ソフトウェアオプション CAD Model Optimizer (#152 / #1-04-1) を使用すると、要件を満たさない STL ファイルを適合させ、クランプとして使用することができます。
STL ファイルを 3Dメッシュ (#152 / #1-04-1)
CFG ファイルのクランプ
CFG ファイルは設定ファイルです。既存の STL ファイルおよび M3D ファイルを CFG ファイルに統合することが可能です。それにより、複雑な固定をマッピングすることができます。
「Set up fixtures」機能は、測測定された値でクランプ用の CFG ファイルを作成します。
CFG ファイルでは、コントローラ上でのクランプファイルの位置づけを設定できます。KinematicsDesign を使って CFG ファイルをコントローラ上に作成し、編集できます。
CFG ファイルを KinematicsDesign で編集する
M3D ファイルのクランプ
M3D はハイデンハイン社のファイル形式です。ハイデンハインの M3D コンバータ (有料プログラム) により、STL ファイルまたは STEP ファイルから M3D ファイルを作成することができます。
M3D ファイルをクランプとして用いるには、ファイルをソフトウェア M3D コンバータで作成し、テストする必要があります。
注意事項
- 機械内のクランプの位置を測定します
- クランプ配置用の測定値を使用します
- シミュレーション」で NC プログラムをテストします
- CAM システムを使用する場合、ポストプロセッサを使用して固定状況を出力してください。
- CAD システム内での座標系の方向に注意してください。CAD システムを使って、機械内での希望するクランプの方向と座標系の方向を合わせます。
- CAD システム内のクランプモデルの向きは自由に選択できるので、機械内のクランプの方向に必ず合致しているとは限りません。
- キネマティクスのマウントポイント上にクランプを直接のせられるように、CAD システム内の座標原点を設定します。
- クランプ用に中央ディレクトリ (TNC:\system\Fixtureなど) を作成します。
- DCM が有効になっている場合、シミュレーションまたは加工中、クランプの衝突を確認します (#40 / #5-03-1)。
多くのクランプを保存することにより、設定の手間をかけずに、加工に適したクランプを選択することができます。
- 日々の生産から固定用に準備されるサンプルファイルは、平文ポータルの NC データベースにあります:
- コントローラまたは NC プログラムで寸法単位「インチ」が有効な場合でも、コントローラは 3D ファイルの寸法を「mm」で解釈します。
- 作業エリア「シミュレーション」では、工具 (工具キャリアを含む) がワークやクランプと衝突しないか点検できます。