サイクル 423 MEAS. RECTAN. INSIDE

ISO プログラミング

G423

用途

タッチプローブサイクル 423 は長方形ポケットの中心点、長さ、幅を算出します。サイクル内で、適した公差値を定義すると、コントローラは目標値と実際値の比較を行い、偏差を Q パラメータに保存します。

 
Tip

ハイデンハインでは、サイクル 423 MEAS. RECTAN. INSIDE の代わりに、機能的により優れたサイクル 1403 RECTANGLE PROBING の使用を推奨します:

サイクルシーケンス

  1. コントローラは、ポジショニングロジックを使用して、タッチプローブを最初のプロービング点 1 のプリポジション用に位置決めします。
  2. ポジショニングロジック

  3. 続いて、タッチプローブは入力された測定高さに移動し、最初のプロービングプロセスをプロービング送り速度 (F 列) で実行します。
  4. その後、タッチプローブは次のプロービング点 2 へ、測定高さで軸平行に移動するか、安全な高さで直線状に移動し、そこで 2 番目のプロービングプロセスを実行します。
  5. タッチプローブがプロービング点 3、その後プロービング点 4 に位置決めされ、そこで 3 番目および 4 番目のプロービングプロセスが実行されます。
  6. 最後に、コントローラがタッチプローブを安全な高さに戻し、実際値と偏差を次の Q パラメータに保存します:

Q パラメータ
番号

意味

Q151

主軸中心の実際値

Q152

副軸中心の実際値

Q154

主軸側面の長さの実際値

Q155

副軸側面の長さの実際値

Q161

主軸中心の偏差

Q162

副軸中心の偏差

Q164

主軸側面の長さの偏差

Q165

副軸側面の長さの偏差

注意事項

  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILL でのみ実行可能です。
  • ポケット寸法とセットアップ許容値がプロービング点付近へのプリポジショニングを許さない場合は、コントローラは常にポケット中心からプロービングします。その場合、4 つの測定点間では、タッチプローブは安全な高さには移動しません。
  • 工具モニタリングは、最初の側面長さの偏差に依存します。
  • コントローラは有効な基本回転をサイクル開始時にリセットします。

プログラミングの注意事項

  • サイクル定義の前に、タッチプローブ軸を定義するために工具呼出しをプログラミングしておく必要があります。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q273 第1軸の中央(目標値)?

加工面の主軸上でのポケットの中心。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q274 第2軸の中央(目標値)?

加工面の副軸上でのポケットの中心。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q282 第1側面の長さ(目標値)?

加工面の主軸に平行したポケットの長さ。

入力:0...99999.9999

Q283 第2側面の長さ(目標値)?

加工面の副軸に平行したポケットの長さ。

入力:0...99999.9999

Q261 プローブ軸上の測定高さ?

測定が行われるタッチプローブ軸上の球中心の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q320 セットアップ許容値?

プロービング点とタッチプローブ球の間の追加的な間隔。Q320 は、タッチプローブ表の SET_UP 列に追加的に作用します。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q260 安全高さ?

タッチプローブとワークピース (クランプ装置) との衝突が生じない工具軸上の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999 または PREDEF

Q301 安全な高さへ走行 (0/1)?

測定点間のタッチプローブの移動方法を指定します:

0:測定点間で測定高さに移動します

1:測定点間で安全な高さに移動します

入力:01

Q284 第1側面の最大長さ?

ポケットの最大許容長さ

入力:0...99999.9999

Q285 第1側面の最小長さ?

ポケットの最小許容長さ

入力:0...99999.9999

Q286 第2側面の最大長さ?

ポケットの最大許容幅

入力:0...99999.9999

Q287 第2側面の最小長さ?

ポケットの最小許容幅

入力:0...99999.9999

Q279 第1軸中央の公差?

加工面の主軸上での許容位置偏差。

入力:0...99999.9999

Q280 第2軸中央の公差?

加工面の副軸上での許容位置偏差。

入力:0...99999.9999

Q281 測定プロトコル (0/1/2)?

測定プロトコルを作成するかを指定します:

0:測定プロトコルを作成しない。

1:測定プロトコルを作成する:関連の NC プログラムが保存されているフォルダにプロトコルファイル TCHPR423.TXT が保存されます。

2:プログラムランが中断され、測定プロトコルがコントローラ画面に出力されます。NC プログラムNC スタートで続行します。

入力:012

Q309 公差エラー時のプログラム停止?

公差範囲を超えた場合にプログラムランを中断し、エラーメッセージを出力させるかを指定します:

0:プログラムランを中断せず、エラーメッセージを出力しません

1:プログラムランを中断し、エラーメッセージを出力します

入力:01

Q330 モニタリング用工具番号?

工具モニタリングを実行するかを指定します:

0:モニタリングは無効

>0:工具表 TOOL.T の工具番号

入力:0...99999.9 または最大 255 文字

工具の監視

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 TCH PROBE 423 MEAS. RECTAN. INSIDE ~

Q273=+50

;CENTER IN 1ST AXIS ~

Q274=+50

;CENTER IN 2ND AXIS ~

Q282=+80

;FIRST SIDE LENGTH ~

Q283=+60

;2ND SIDE LENGTH ~

Q261=-5

;MEASURING HEIGHT ~

Q320=+0

;SET-UP CLEARANCE ~

Q260=+10

;CLEARANCE HEIGHT ~

Q301=+1

;MOVE TO CLEARANCE ~

Q284=+0

;MAX. LIMIT 1ST SIDE ~

Q285=+0

;MIN. LIMIT 1ST SIDE ~

Q286=+0

;MAX. LIMIT 2ND SIDE ~

Q287=+0

;MIN. LIMIT 2ND SIDE ~

Q279=+0

;TOLERANCE 1ST CENTER ~

Q280=+0

;TOLERANCE 2ND CENTER ~

Q281=+1

;MEASURING LOG ~

Q309=+0

;PGM STOP TOLERANCE ~

Q330=+0

;TOOL