M110 を使用して内半径での送り速度を下げる
用途
M109 とは異なり、コントローラは M110 を使用して、内半径でのみ工具切刃での送り速度を一定に保ちます。重切削の範囲内で重要な場合など、それによって一定に維持された切削条件が工具に作用します。
機能説明
作用
M110 はブロックの先頭で作用します。
M110 をリセットするには、M111 をプログラミングします。
適用例
ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。
以下に応じて調整を行います。
- 工具
- 切断値
- 送り速度
- 安全な高さまたは安全な位置
- 機械特有の位置 (例:M91)
- プログラム呼出しのパス
一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。
さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。
プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。
11 L X+5 Y+25 RL F1000 | :プログラミングされた送り速度で最初の輪郭点に接近する |
12 CR X+45 Y+25 R+20 DR+ M110 | :送り速度減少を有効にして、次に送り速度を下げて円経路を加工する |
コントローラは最初の NC ブロックで、工具中心点経路を基準にし、プログラミングされた送り速度で工具を移動させます。
コントローラは NC ブロック 12 で M110 を有効にし、内半径の加工時に工具切刃での送り速度を一定に保ちます。コントローラはそれぞれブロックの先頭で、この NC ブロックについて工具切刃での送り速度を計算し、輪郭半径と工具半径に応じてプログラミングされた送り速度を調整します。
次に、工具は送り速度を下げて内半径を加工します。
M110 を使用しない場合、工具はプログラミングされた送り速度で内半径を加工します。
注意事項
加工サイクルを呼び出す前に、200 よりも大きい番号で M110 を定義すると、円経路でもこの加工サイクル内で送り速度の調整が有効になります。