サイクル 263 THREAD MLLNG/CNTSNKG

ISO プログラミング

G263

用途

このサイクルで、準備ドリル加工した材料のねじ切り加工をすることができます。さらに座ぐり加工をすることができます。

関連項目

サイクルシーケンス

  1. 工具がスピンドル軸上でワークピース表面上の入力されたセットアップ許容値の位置に早送り FMAX で位置決めされます

座ぐり加工

  1. 工具はプリポジショニングの送り速度で、座ぐりの深さからセットアップ許容値を引いた位置に移動し、続いて座ぐりの送り速度で座ぐりの深さまで移動します
  2. 側面のセットアップ許容値が入力されている場合、工具は直ちにプリポジショニングの送り速度で座ぐりの深さに位置決めされます
  3. 続いてコントローラはスペースの状況に応じて、中心から離れて移動するか、あるいは側面のプリポジショニングを行ってコア直径へおだやかに接近し、円動作を実行します

正面座ぐり加工

  1. 工具はプリポジショニングの送り速度で、正面座ぐりの深さまで移動します
  2. コントローラは工具を補正なしで中心から半円を経て正面オフセットに位置決めし、座ぐりの送り速度で円動作を行います
  3. 続いてコントローラは工具を、再び半円状にドリル穴中心へ移動させます

ねじ切り加工

  1. 工具はプログラミングされたプリポジショニングの送り速度で、ねじピッチの符号とフライス加工方法から決まるねじ用の開始面に移動します
  2. 続いて工具はらせん動作をしながら、接線方向にねじの公称直径へ接近し、360°のらせん動作でねじ切り加工します
  3. その後、工具は輪郭から接線方向に加工面の始点へ戻ります
  4. サイクルの最後に、工具が早送りでセットアップ許容値の位置まで移動するか、入力されている場合は第 2 セットアップ許容値の位置まで移動します

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
サイクルで深さをプラスで入力すると、プリポジショニングの計算が反転します。工具は工具軸上でワークピース表面の下にセットアップ許容値の位置まで早送りで移動します。衝突の危険があります!
  1. 深さはマイナスで入力します
  2. 機械パラメータ displayDepthErr (No. 201003) により、深さをプラスで入力したときエラーメッセージを出す (on) か、あるいは出さない (off) かを設定します
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILL でのみ実行可能です。
  • ねじ深さ、座ぐりの深さ、正面の深さのサイクルパラメータの符号が加工方向を指定します。加工方向は次の順序で決定されます。
    1. ねじ深さ
    2. 座ぐり深さ
    3. 正面深さ

プログラミングの注意事項

  • 加工面の始点 (ドリル穴中心) への位置決めブロックは、半径補正 R0 を用いてプログラミングします。
  • 深さのパラメータの 1 つを 0 に設定すると、コントローラはその加工工程を実行しません。
  • 正面の座ぐり加工を行うときは、パラメータ「座ぐり深さ」を 0 で定義してください。
 
Tip

ねじ溝の深さは、座ぐりの深さより少なくともねじピッチの 3 分の 1 だけ小さな値にプログラミングしてください。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q335 規定-直径?

ねじの定格直径

入力:0...99999.9999

Q239 ネジピッチ?

ねじのピッチ符号は右ねじあるいは左ねじを指定します:

+ = 右ねじ

= 左ねじ

入力:-99.9999...+99.9999

Q201 ねじ溝の深さ?

ワークピース表面とねじ底部間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q356 座ぐり深さ?

ワークピース表面と工具先端間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q253 事前集積のための送り速度?

ワークピースへのプランジの際およびワークピースから抜き出す際の工具の移動速度 (mm/min)。

入力:0...99999.9999 または FMAXFAUTOPREDEF

Q351 方向? 順方向=+1 逆方向=-1

フライス加工の種類。スピンドル回転方向が考慮されます。

+1 = 順方向のフライス加工

–1 = 逆方向のフライス加工

(0 を入力すると、加工は順方向になります)

入力:-10+1 または PREDEF

Q200 セットアップ許容値?

工具先端とワークピース表面間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q357 側面セットアップ許容値?

工具刃先とドリル穴の壁間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q358 前面の座ぐり深さ?

正面の座ぐり工程時のワークピース表面と工具先端間の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q359 前面の座ぐりオフセット?

工具中心を中心からオフセットする間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q203 ワークピース表面座標?

有効なゼロ点をもとにしたワークピース表面の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q204 第二セットアップ許容値?

工具とワークピース (クランプ装置) との衝突が生じない工具軸上の間隔。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q254 沈めフライスの送り速度?

座ぐり加工時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.999 または FAUTOFU

Q207 ミリング加工送り速度?

フライス加工時の工具の移動速度 (mm/min)

入力:0...99999.999 または FAUTO

Q512 接近するための送り速度?

接近時の工具の移動速度 (mm/min)。ねじの直径が小さい場合、接近送り速度を抑えることによって、工具破損のリスクを軽減できます。

入力:0...99999.999 または FAUTO

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 CYCL DEF 263 THREAD MLLNG/CNTSNKG ~

Q335=+5

;NOMINAL DIAMETER ~

Q239=+1

;THREAD PITCH ~

Q201=-18

;DEPTH OF THREAD ~

Q356=-20

;COUNTERSINKING DEPTH ~

Q253=+750

;F PRE-POSITIONING ~

Q351=+1

;CLIMB OR UP-CUT ~

Q200=+2

;SET-UP CLEARANCE ~

Q357=+0.2

;CLEARANCE TO SIDE ~

Q358=+0

;DEPTH AT FRONT ~

Q359=+0

;OFFSET AT FRONT ~

Q203=+0

;SURFACE COORDINATE ~

Q204=+50

;2ND SET-UP CLEARANCE ~

Q254=+200

;F COUNTERBORING ~

Q207=+500

;FEED RATE MILLING ~

Q512=+0

;FEED FOR APPROACH

12 CYCL CALL