旋削加工モードのアンバランス調整

用途

旋削加工の場合、回転テーブルおよび固定したワークピースが回転動作を実行している間、工具は固定位置にあります。ワークピースのサイズに応じて、ここで大きな質量が回転動作に移行します。ワークピースの回転によって、外側へ作用する遠心力が生まれます。

コントローラは、アンバランスを検知してアンバランスの補正時に支援する機能を提供します。

機能説明

 
Machine

機械のマニュアルを参照してください。

アンバランス機能はすべての機械タイプで必要なわけではなく、装備されていないことがあります。

発生する遠心力は、ワークの回転数、質量、バランスによって異なります。質量が均等に分配されていない物体が回転動作に移行すると、バランスがくずれます。質量がある物体が回転動作にある場合、外側へ作用する遠心力が生じます。回転する質量が均等に分配されていれば、遠心力は生じません。 バランスウェイトを固定して、該当する遠心力を補正します。

そのときユーザーをサポートするために「測定 アンバランス」サイクルがあります。このサイクルで、バランスをチェックし、必要なバランスウェイトの量と位置を計算します。

不均衡を 測定 (#50 / #4-03-1)

サイクル 892 CHECK UNBALANCE で、最大許容アンバランスと最大回転数を定義します。コントローラがこれらの入力を監視します。

サイクル 892 CHECK UNBALANCE (#50 / #4-03-1)

アンバランスモニター

バランスモニター機能で旋削加工モードのワークのバランスを監視します。機械メーカーが指定した最大アンバランスの値を超えると、エラーメッセージが表示され、コントローラが非常停止します。

旋削加工モードに切り替えると、自動的にバランスモニター機能が有効になります。再度フライス加工モードに切り替えるまで、バランスモニターは有効です。

FUNCTION MODE による加工モードの切替え

注意事項

 
警告
オペレータや機械への危険に注意!
旋削加工中、高重量かつアンバランスな工具と高い回転数によって非常に大きい物理的な力が生じます。不適切な加工パラメータ、配慮されていないアンバランス、不適切な固定具により、加工時の事故のリスクが高まります。
  1. 工具はスピンドル中心に固定する
  2. 工具を確実に固定する
  3. 低い回転数をプログラミングする (必要に応じて上げる)
  4. 回転数を制限する (必要に応じて上げる)
  5. アンバランスを取り除く (較正する)
  • ワークの回転により遠心力が生じます。この遠心力は、アンバランスの有無に応じて振動 (振動共鳴) につながります。 これにより、加工プロセスが悪影響を受け、工具の寿命が短くなります。
  • 加工時に材料が取り除かれると、ワークの質量配分が変化します。 それによってアンバランスが生じるため、加工ステップ間にもアンバランスチェックを推奨します。