タッチプローブサイクルの概要
機能説明
- 機械のマニュアルを参照してください。
- タッチプローブを使用するために機械メーカーがコントローラの準備を行っている必要があります。
- ハイデンハインでは、ハイデンハイン製のタッチプローブを使用する場合のみ、タッチプローブサイクルの機能を保証します。
- コントローラのすべての機能は、工具軸 Z の使用時にのみ使用できます。
- 制限されていて、機械メーカーによって準備、設定されている場合、工具軸 X と Y の使用が可能です。
タッチプローブ機能を使用して、ワークの傾き具合を算出して補正したり、ワークに基準点を設定したり、ワークで測定を行ったりすることができます。
コントローラがタッチプローブサイクルを実行するときは、(基本回転が有効である場合や、加工面が傾斜している場合であっても) 3D タッチプローブがワークピースに向かって軸と平行に移動します。タッチプローブ送り速度は、機械メーカーが機械パラメータの中で設定します。
スタイラスがワークピースに接触した場合:
- 3D タッチプローブがコントローラに信号を送ります:接触位置の座標が保存されます
- 3D タッチプローブが停止します
- 早送りでプロービングプロセスの開始位置に戻ります
指定された距離内でスタイラスが偏向されない場合は、エラーメッセージが出力されます (距離:タッチプローブ表の DIST)。
関連項目
- 手動のタッチプローブサイクル
- 基準点表
- ゼロ点表
- 基準系
- 事前割当てされた変数
条件
- 較正されたワークピースタッチプローブ
L 字型のプローブピンを使用する作業
タッチプローブサイクル 444 と 14xx は、単純な形状のスタイラス SIMPLE に加えて L 字型のスタイラス L-TYPE にも対応しています。L 字型のスタイラスは使用前に較正する必要があります。
ハイデンハインでは、以下のサイクルを使用してプローブピンを較正することを推奨しています:
タッチプローブ表で、TRACK ON による向き調整を許可する必要があります。コントローラはプロービングプロセス中に L 字型のプローブピンの向きをそれぞれのプロービング方向に調整します。プロービング方向が工具軸に一致している場合、コントローラはタッチプローブの向きを較正角度に合わせます。
- シミュレーションではスタイラスのブームは表示されません。ブームは、曲げた状態の L 字型スタイラスの長さです。
- ソフトウェアオプション Collision Monitoring (#40 / #5-03-1) は L 字型スタイラスを監視しません。
- 最大限の精度を得るには、較正時とプロービング時の送り速度が同じでなければなりません。
- 機械メーカーがオプションの機械パラメータ trackAsync (No. 122503) を使用して、プロービングの際にプリポジショニングでスピンドルを位置合わせするか定義します。 これにより、自動プロービングプロセス時の時間を節約できます。 さらに、スピンドルトラッキング速度での較正された L 字型スタイラスの中心オフセットが考慮されます。その結果、プローブ球の速度はプローブ早送りの最大値 FMAX となり、プロービング時の安全性が向上します。
タッチプローブ表に関する一般事項
タッチプローブ表では、セットアップ許容値を設定します。これは、タッチプローブをプリポジショニングする際の、定義した (またはサイクルに基づいて計算された) プロービング点までの距離です。この入力値が小さいほど、プロービング位置をより正確に定義する必要があります。多くのタッチプローブサイクルでは、さらに、タッチプローブ表に追加的に作用するセットアップ許容値も定義できます。
タッチプローブ表では以下が定義できます。
- 工具のタイプ
- TS 中心オフセット
- 較正時のスピンドル角度
- プロービング送り速度
- タッチプローブサイクルでの早送り
- 最大測定範囲
- セットアップ許容値
- 送りのプリポジショニング
- タッチプローブの方向
- シリアルナンバー
- 衝突時の反応
手動モードおよび電子ハンドホイールモードでのタッチプローブサイクル
コントローラでは、操作モード「手動」の「設定」アプリケーションで、タッチプローブサイクルが選択でき、以下が実行できます:
- 基準点の設定
- 角度のプロービング
- 位置のプロービング
- タッチプローブの校正
- 工具の計測
自動モード用タッチプローブサイクル
コントローラではマニュアルのタッチプローブサイクル以外に、自動モードでのさまざまな用途のために、次のようなサイクルが数多く用意されています。
- ワークピースの斜め具合の自動算出
- 基準点の自動算出
- ワークピースの自動制御
- 特殊機能
- タッチプローブの較正
- キネマティクスの自動測定
- 工具の自動測定
タッチプローブサイクルの定義
新しい加工サイクルや転送パラメータとしての Q パラメータと同様に、400 以降の番号のタッチプローブサイクルを使用してください。様々なサイクルで必要とされる同じ機能のパラメータには必ず同じ番号が付いています。例えば、Q260 は必ず安全な高さで、Q261 は必ず測定高さです。
タッチプローブサイクルの定義方法は数多くあります。タッチプローブサイクルは、プロブラミングモードでプログラミングを行ってください。
さまざまなサイクルパラメータで、アクションバーまたはフォームを使用して選択できます。
タッチプローブサイクルの処理
タッチプローブサイクルはすべて DEF アクティブです。プログラムラン中にサイクル定義が読み込まれると、コントローラはサイクルを自動的に実行します。
注意事項
- タッチプローブサイクルを使用する前に、次のサイクルをアクティブにしないでください:
- サイクル 7 DATUM SHIFT
- サイクル 8 MIRROR IMAGE
- サイクル 10 ROTATION
- サイクル 11 SCALING
- サイクル 26 AXIS-SPEC. SCALING
- 座標変換を事前にリセットします
- タッチプローブサイクルを使用する前に、次の NC 機能をアクティブにしないでください:
- サイクル 8 MIRROR IMAGE
- サイクル 11 SCALING
- サイクル 26 AXIS-SPEC. SCALING
- TRANS MIRROR
- サイクル呼出し前に座標変換をリセットします
機械パラメータと関連した注意事項
- オプションの機械パラメータ chkTiltingAxes (No. 204600) の設定に応じて、プロービング時に回転軸の位置が傾斜角度 (3D-ROT) と一致しているかが確認されます。一致しない場合、エラーメッセージが出力されます。
- 機械メーカーがオプションの機械パラメータ trackAsync (No. 122503) を使用して、プロービングの際にプリポジショニングでスピンドルを位置合わせするか定義します。 この設定は、次のサイクルに適用されます:
- ワークのタッチプローブサイクル 14xx
- サイクル 403 ROT IN ROTARY AXIS、Q312=0 の場合
- サイクル 444 PROBING IN 3-D
- キネマティクスの測定のためのタッチプローブサイクル 45x (#48 / #2-01-1)
- タッチプローブサイクル、ワークタッチプローブの較正 46x
プログラミングと実行に関連した注意事項
- 測定プロトコルおよび戻りパラメータの単位は、メインプログラムによって異なることに注意してください。
- タッチプローブサイクル 40x ~ 43x は、サイクル開始時に有効な基本回転をリセットします。
- コントローラは、基本変換を基本回転として、オフセットをテーブル回転として解釈します。
- 機械にテーブル回転軸があり、その向きがワークピース座標系 W-CS に対して垂直になっている場合は、傾き具合をワークピース回転としてのみ適用することができます。
プリポジション
各プロービングプロセスの前に、タッチプローブのプリポジショニングを行います。
プリポジショニングは次のプロービング方向で行われます。
プロービング点とプリポジションの間隔は、次の値で構成されます。
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ポジショニングロジック
番号 400~ 499 または 1400~1499 のタッチプローブサイクルは、タッチプローブを次のポジショニングロジックに従ってプリポジショニングします。
現在の位置 > Q260 CLEARANCE HEIGHT | ||
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現在の位置 < Q260 CLEARANCE HEIGHT | ||
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