サイクル 410 DATUM INSIDE RECTAN.

ISO プログラミング

G410

用途

タッチプローブサイクル 410 は長方形ポケットの中心点を算出し、この中心点を基準点として設定します。任意で、コントローラはこの中心点をゼロ点表あるいは基準点表に書き込むこともできます。

 
Tip

ハイデンハインでは、サイクル 410 DATUM INSIDE RECTAN. の代わりに、機能的により優れたサイクル 1403 RECTANGLE PROBING の使用を推奨します:

サイクルシーケンス

  1. コントローラは、ポジショニングロジックを使用して、タッチプローブを最初のプロービング点 1 のプリポジション用に位置決めします。
  2. ポジショニングロジック

  3. 続いて、タッチプローブは入力された測定高さに移動し、最初のプロービングプロセスをプロービング送り速度 (F 列) で実行します。
  4. その後、タッチプローブは次のプロービング点 2 へ、測定高さで軸平行に移動するか、安全な高さで直線状に移動し、そこで 2 番目のプロービングプロセスを実行します。
  5. タッチプローブがプロービング点 3、その後プロービング点 4 に位置決めされ、そこで 3 番目および 4 番目のプロービングプロセスが実行されます。
  6. タッチプローブが安全な高さに戻ります。
  7. サイクルパラメータ Q303Q305 に応じて、算出された基準点が処理されます。(参照 基準点設定時のタッチプローブサイクル 408~419 の基本事項)。
  8. 続いて、実際値が次の Q パラメータに保存されます。
  9. 希望であれば、続いて別のプロービングプロセスで、さらにタッチプローブ軸上の基準点が算出されます。

Q パラメータ
番号

意味

Q151

主軸中心の実際値

Q152

副軸中心の実際値

Q154

主軸側面の長さの実際値

Q155

副軸側面の長さの実際値

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
タッチプローブサイクル 400499 の実行時に、座標変換のためのサイクルがアクティブであってはなりません。衝突の危険があります!
  1. タッチプローブサイクルを使用する前に、次のサイクルをアクティブにしないでください:
    • サイクル 7 DATUM SHIFT
    • サイクル 8 MIRROR IMAGE
    • サイクル 10 ROTATION
    • サイクル 11 SCALING
    • サイクル 26 AXIS-SPEC. SCALING
  2. 座標変換を事前にリセットします
 
注意事項
衝突の危険に注意!
ポケット寸法とセットアップ許容値がプロービング点付近へのプリポジショニングを許さない場合は、コントローラは常にポケット中心からプロービングします。その場合、4 つの測定点間では、タッチプローブは安全な高さには移動しません。衝突の危険があります!
  1. タッチプローブとワークピースの衝突を防ぐために、ポケットの第 1 および第 2 側面の長さを小さ過ぎるくらいに入力してください。
  2. サイクル定義の前に、タッチプローブ軸を定義するために工具呼出しをプログラミングしておく必要があります
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILL でのみ実行可能です。
  • コントローラは有効な基本回転をサイクル開始時にリセットします。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q321 第1軸の中央?

加工面の主軸上でのポケットの中心。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q322 第2軸の中央?

加工面の副軸上でのポケットの中心。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q323 第一側面長さ?

加工面の主軸に平行したポケットの長さ。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q324 第二側面長さ?

加工面の副軸に平行したポケットの長さ。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999

Q261 プローブ軸上の測定高さ?

測定が行われるタッチプローブ軸上の球中心の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q320 セットアップ許容値?

プロービング点とタッチプローブ球の間の追加的な間隔。Q320 は、タッチプローブ表の SET_UP 列に追加的に作用します。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q260 安全高さ?

タッチプローブとワークピース (クランプ装置) との衝突が生じない工具軸上の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999 または PREDEF

Q301 安全な高さへ走行 (0/1)?

測定点間のタッチプローブの移動方法を指定します:

0:測定点間で測定高さに移動します

1:測定点間で安全な高さに移動します

入力:01

Q305 表内番号?

中心点の座標を保存する基準点表/ゼロ点表の行番号を指定します。Q303 に応じて、基準点表またはゼロ点表に入力が行われます。

Q303=1 の場合、コントローラが基準点表を記述します。

Q303=0 の場合、コントローラがゼロ点表を記述します。ゼロ点は自動的に有効化されません。

算出された基準点の保存

入力:0...99999

Q331 主軸の新しい基準点?

算出されたポケット中心を設定する主軸上の座標。基本設定は 0。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q332 副軸の新しい基準点?

算出されたポケット中心を設定する副軸上の座標。基本設定は 0。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q303 測定値転送 (0,1)?

算出された基準点をゼロ点表あるいは基準点表のどちらに保存するか指定します:

-1:使用禁止。古い NC プログラムが読み込まれる場合に、コントローラによって入力されます 参照 用途

0:算出された基準点を有効なゼロ点表に書き込みます。基準系は有効なワークピース座標系です

1:算出された基準点を基準点表に書き込みます。

入力:-10+1

Q381 TS-軸をプロービング? (0/1) (オプション))

タッチプローブ軸上の基準点も設定するかを指定します:

0:タッチプローブ軸上の基準点を設定しません

1:タッチプローブ軸上の基準点を設定します

入力:01

Q382 TS-軸をプロービング: 座標 第1軸? (オプション)

タッチプローブ軸上の基準点が設定される、加工面の主軸上のプロービング点の座標。Q381 = 1 の場合のみ有効。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q383 TS-軸をプロービング: 座標 第2軸? (オプション)

タッチプローブ軸上の基準点が設定される、加工面の副軸上のプロービング点の座標。Q381 = 1 の場合のみ有効。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q384 TS-軸をプロービング: 座標 第3軸? (オプション)

タッチプローブ軸上の基準点が設定される、タッチプローブ軸上のプロービング点の座標。Q381 = 1 の場合のみ有効。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q333 TS 軸の新しい基準点? (オプション)

基準点が設定されるタッチプローブ軸上の座標。基本設定は 0。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 TCH PROBE 410 DATUM INSIDE RECTAN. ~

Q321=+50

;CENTER IN 1ST AXIS ~

Q322=+50

;CENTER IN 2ND AXIS ~

Q323=+60

;FIRST SIDE LENGTH ~

Q324=+20

;2ND SIDE LENGTH ~

Q261=-5

;MEASURING HEIGHT ~

Q320=+0

;SET-UP CLEARANCE ~

Q260=+20

;CLEARANCE HEIGHT ~

Q301=+0

;MOVE TO CLEARANCE ~

Q305=+10

;NUMBER IN TABLE ~

Q331=+0

;DATUM ~

Q332=+0

;DATUM ~

Q303=+1

;MEAS. VALUE TRANSFER ~

Q381=+1

;PROBE IN TS AXIS ~

Q382=+85

;1ST CO. FOR TS AXIS ~

Q383=+50

;2ND CO. FOR TS AXIS ~

Q384=+0

;3RD CO. FOR TS AXIS ~

Q333=+1

;DATUM