M103 を使用して切込み動作時の送り速度を下げる
用途
コントローラは M103 を使用して、プランジ加工のためなど、減速した送り速度で切込み動作を実行します。パーセンテージの係数を使って送り速度値を定義します。
機能説明
作用
M103 は工具軸での直線の場合に、ブロックの先頭で作用します。
M103 をリセットするには、定義された係数を使用せずに M103 をプログラミングします。
適用例
ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。
以下に応じて調整を行います。
- 工具
- 切断値
- 送り速度
- 安全な高さまたは安全な位置
- 機械特有の位置 (例:M91)
- プログラム呼出しのパス
一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。
さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。
プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。
11 L X+20 Y+20 F1000 | :加工面上で移動する |
12 L Z-2.5 M103 F20 | :送り速度減少を有効にし、減速した送り速度で切り込む |
13 L X+30 Z-5 | :減速した送り速度で切り込む |
工具は加工面の最初の NC ブロックで位置決めされます。
コントローラは NC ブロック 12 で、パーセンテージの係数 20 で M103 を有効にし、その後 Z 軸の切込み動作を 200 mm/min の減速した送り速度で実行します。
次に NC ブロック 13 で、X 軸と Z 軸での切込み動作を 825 mm/min の減速した送り速度で実行します。この高いほうの送り速度は、コントローラが切込み動作以外に平面で工具を移動させることによって得られます。コントローラは平面での送り速度と切込み送り速度の間の切削値を計算します。
M103 を使用しない場合、切込み動作はプログラミングされた送り速度で行われます。
入力
M103 を定義すると、ダイアログが続行され、係数 F が照会されます。
注意事項
- 切込み送り速度 FZ は、最後にプログラミングされた送り速度 FProg とパーセンテージの係数 F から計算されます。
- M103 機能は、傾斜した加工面座標系 WPL-CS でも作用します。その場合、送り速度の減少は、仮想工具軸 VT での切込み動作時に作用します。