CFG ファイルを KinematicsDesign で編集する

用途

KinematicsDesign を使用して、CFD ファイルをコントローラで編集できます。その際に KinematicsDesign はクランプをグラフィック表示し、それによってトラブルシューティングおよびエラー除去においてサポートします。

機能説明

CFG ファイルをコントローラで開くと、KinematicsDesign が選択肢として表示されます。

KinematicsDesign には次の機能があります。

  • グラフィック支援によるクランプの編集
  • 入力ミスでのフィードバック
  • 変換の挿入
  • 新しい要素の追加
    • 3D モデル (M3D または STL ファイル)
    • 円筒
    • プリズム
    • 直方体
    • 円すい台
    • ドリル穴

STL ファイルおよび M3D ファイルの両方とも CFG ファイルに何度も統合することが可能です。

CFG ファイル内の構文

さまざまな CFG 機能の中で、以下の構文要素が使用されます:

機能

説明

key:= ""

機能の名前

dir:= ""

変換の方向。例: X

val:= ""

name:= ""

衝突時に表示される名前 (任意入力)

filename:= ""

ファイル名

vertex:= [ ]

立方体の位置

edgeLengths:= [ ]

直方体のサイズ

bottomCenter:= [ ]

円筒の中心

radius:=[ ]

円筒の半径

height:= [ ]

幾何学的オブジェクトの高さ

polygonX:= [ ]

多角形の線 (X)

polygonY:= [ ]

多角形の線 (Y)

origin:= [ ] 

多角形の開始点

各要素は、独自の key を有しています。1 つの key は一義的でなければならず、クランプの記述に一回限り使用できます。key に基づいて、要素が互いに参照されます。

コントローラでクランプを CFG 機能によって記述したい場合、以下の機能を使用することができます:

機能

説明

CfgCMOMesh3D(key:="Fixture_body",
filename:="1.STL",name:="")

クランプコンポーネントの定義

 
Tip

規定したクランプコンポーネントのパスを絶対値で指定することもできます。例:TNC:\nc_prog\1.STL

CfgKinSimpleTrans(key:="XShiftFixture",
dir:=X,val:=0)

X 軸における移動

挿入された変換 (移動や回転など) は、キネマティクスチェーンの以下の全要素に影響します。

CfgKinSimpleTrans(key:="CRot0",
dir:=C,val:=0)

C 軸での回転

CfgCMO ( key:="fixture",
primitives:= ["XShiftFixture","CRot0",
"Fixture_body"],
active :=TRUE, name :="")

クランプに含まれるすべての変換を記述します。パラメータ active := TRUE は、クランプの衝突監視を有効にします。

CfgCMO には衝突オブジェクトおよび変換が含まれます。さまざまな変換の配置は、クランプの構成にとって重要です。この場合、変換 XShiftFixture は、変換の回転中心 Crot0 をずらします。

CfgKinFixModel(key:="Fix_Model",
kinObjects:=["fixture"])

クランプの名称

CfgKinFixModel には 1 つまたは複数の CfgCMO 要素が含まれます。

幾何学的形状

KinematicsDesign を使用して、 を使って、または直接 CFG ファイルに、簡単な幾何学的オブジェクトを衝突オブジェクトに挿入することができます。

統合されているすべての幾何学的形状は、上位の CfgCMO のサブエレメントであり、そこで primitives としてリストアップされます。

以下の幾何学的オブジェクトが使用できます:

機能

説明

CfgCMOCuboid ( key:="FIXTURE_Cub", 
vertex:= [ 0, 0, 0 ], 
edgeLengths:= [0, 0, 0], 
name:="" )

直方体の定義

CfgCMOCylinder ( key:="FIXTURE_Cyl", 
dir:=Z, bottomCenter:= [0, 0, 0], radius:=0, height:=0, name:="")

円筒の定義

CfgCMOPrism ( key:="FIXTURE_Pris_002", 
height:=0,  polygonX:=[],  polygonY:=[], 
name:="",  origin:= [ 0,  0,  0 ] )

角柱の定義

角柱は、複数のポリゴナルラインと高さの入力によって記述されます。

クランプエントリを衝突物付きで作成する

以下の内容は、KinematicsDesign がすでに開いている場合の手順を説明しています。

クランプエントリを衝突物付きで作成するには、以下の手順に従ってください:

    1. クランプの挿入」を選択します
    2. KinematicsDesign が、CFG ファイル内に新しいクランプエントリを作成します。
    3. クランプの Keyname を入力します (例:クランプ爪)
    4. 入力内容を確定します
    5. KinematicsDesign が入力を適用します。

    1. カーソルを 1 レベル下へ移動します

    1. 衝突物の挿入」を選択します
    2. 入力内容を確定します
    3. KinematicsDesign が新しい衝突物を作成します。

    幾何学的形状を定義する

    KinematicsDesign を使って、さまざまな幾何学的形状を定義することができます。複数の幾何学的形状を接続すれば、簡単なクランプを構築できます。

    幾何学的形状を定義するには、次の手順に従ってください:

    1. クランプエントリを衝突物付きで作成する

    1. 衝突物の下にある矢印ボタンを選択します

    1. 直方体などの希望する幾何学的形状を選択します
    2. 直方体の位置を定義します
      例: X = 0Y = 0, Z = 0
    3. 直方体の寸法を定義します
      例: X = 100Y = 100, Z = 100
    4. 入力内容を確定します
    5. 定義された直方体がグラフィック表示されます。

    3D モデルを統合する

    統合された 3D モデルがコントローラの要件を満たす必要があります。

    3D モデルをクランプとして統合するには、以下の手順に従ってください:

    1. クランプエントリを衝突物付きで作成する

    1. 衝突物の下にある矢印ボタンを選択します

    1. 3D モデルの挿入」を選択します
    2. ファイルを開く」ウィンドウが開きます。
    3. 希望する STL ファイルまたは M3D ファイルを選択します
    4. OK を選択します
    5. 選択されたファイルが統合され、ファイルがグラフィックウィンドウに表示されます。

    クランプを配置する

    統合したクランプを任意に配置し、例えば外部 3D モデルの向きを修正することができます。それを行うには、希望するすべての軸について、変換を挿入します。

    次のように KinematicsDesign でクランプを配置します:

    1. クランプを定義します

    1. 配置する要素の下にある矢印ボタンを選択します

    1. 変換の挿入」を選択します
    2. 変換の Keyname を入力します (例:Z シフト)
    3. 変換の を選択します (例:Z)
    4. 変換のを選択します (例: 100)
    5. 入力内容を確定します
    6. KinematicsDesign が変換を挿入します。
    7. KinematicsDesign が変換をグラフィックに表示します。

    注意事項

    • 変換で「?」の文字がキーに含まれる場合、「装備品の統合」機能内で値を入力できます。これにより、例えば、クランプジョーを簡単に位置決めできます。
    • 「新しいクランプ装置」ウィンドウでのクランプの組み合わせ

    • KinematicsDesign を使用して、 の代わりに、該当するコードを使ってクランプファイルをテキストエディタで作成したり、直接 CAM システムから作成したりすることもできます。

    この例では、2 つの可動ジョーを備えるバイスの CFG ファイルの構文が示されています。

    使用されるファイル

    バイスは、さまざまな STL ファイルから構成されます。バイスジョーの構造は同じなので、その定義にも同じ STL ファイルが使用されます。

    コード

    説明

    CfgCMOMesh3D 
    (key:="Fixture_body",
    filename:="vice_47155.STL",
    name:="")

    バイスのボディ

    CfgCMOMesh3D 
    (key:="vice_jaw_1",
    filename:="vice_jaw_47155.STL",
    name:="")

    第 1 のバイスジョー

    CfgCMOMesh3D 
    (key:="vice_jaw_2",
    filename:="vice_jaw_47155.STL",
    name:="")

    第 2 のバイスジョー

    幅の定義

    この例では、2 つの相互に依存している変換によってバイスの幅が定義されます。

    コード

    説明

    CfgKinSimpleTrans
    (key:="TRANS_opening_width",
    dir:=Y, val:=-60)

    Y 方向のバイスの幅 60 mm

    CfgKinSimpleTrans
    (key:="TRANS_opening_width_2",
    dir:=Y, val:=30)

    Y 方向の第 1 のバイスジョーの位置 30 mm

    作業空間におけるクランプの配置

    定義されたクランプコンポーネントの配置は、さまざまな変換によって行われます。

    コード

    説明

    CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_X", dir:=X, 
    val:=0) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_Y", dir:=Y,
    val:=0) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_Z", dir:=Z,
    val:=0) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_Z_vice_jaw",
    dir:=Z, val:=60) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_C_180",
    dir:=C, val:=180) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_SPC", dir:=C,
    val:=0) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_SPB", dir:=B,
    val:=0) CfgKinSimpleTrans (key:="TRANS_SPA", dir:=A,
    val:=0)

    クランプコンポーネントの配置

    定義されたバイスジョーを回転するため、この例では 180°回転を挿入します。このことは、両方のバイスジョーについて同一の初期モデルが使用されるため必要となります。

    挿入された回転は、以下の並進連鎖の全コンポーネントに影響します。

    クランプの構成

    シミュレーションでクランプを正しくマッピングするには、すべてのオブジェクトと変換を CFG ファイルにまとめる必要があります。

    コード

    説明

    CfgCMO (key:="FIXTURE", primitives:= [ 
    "TRANS_X", 
    "TRANS_Y", 
    "TRANS_Z", 
    "TRANS_SPC", 
    "TRANS_SPB", 
    "TRANS_SPA",     
    "Fixture_body", 
    "TRANS_Z_vice_jaw", 
    "TRANS_opening_width_2", 
    "vice_jaw_1", 
    "TRANS_opening_width", 
    "TRANS_C_180", 
    "vice_jaw_2" ], active:=TRUE, name:="") 

    クランプに含まれる変換とオブジェクトのまとめ

    クランプの名称

    構成したクランプは名前を付ける必要があります。

    コード

    説明

    CfgKinFixModel (key:="FIXTURE1",
    kinObjects:=["FIXTURE"])

    構成したクランプの名称