基本事項

用途

SL サイクルを使用すると、12 個までの部分輪郭 (ポケットまたはアイランド) からなる複雑な輪郭を組み合わせることができます。個々の部分輪郭はサブプログラムとして入力します。サイクル 14 CONTOUR GEOMETRY で指定した部分輪郭リスト (サブプログラム番号) から、コントローラは輪郭全体を計算します。

 
Tip

ハイデンハインでは、SL サイクルの代わりに、機能的により優れたソフトウェアオプション Opt. Contour Milling (#167 / #1-02-1) を推奨しています。

関連項目

機能説明

サブプログラムの特徴

  • 閉じた輪郭、接近および退避動作なし
  • 座標変換は可能です。座標変換が部分輪郭内でプログラミングされると、それ以降のサブプログラムにおいても有効ですが、サイクル呼出し後にリセットする必要はありません
  • 例えば半径補正 RR で時計回りに輪郭を記述する場合など、輪郭の内側を回転する場合は、コントローラはポケットを認識します
  • 例えば半径補正 RL で時計回りに輪郭を記述する場合など、輪郭の外側を回転する場合は、コントローラはアイランドを認識します
  • サブプログラムにスピンドル軸上の座標が含まれてはなりません
  • サブプログラムの最初の NC ブロックでは、必ず両方の軸をプログラミングしてください
  • Q パラメータを使用するときは、それぞれの輪郭サブプログラムの中だけでそれぞれの計算と割当てを行います
  • 加工サイクル、送り速度および M 機能なし

サイクルの特徴

  • それぞれのサイクルの前に、コントローラは自動的にセットアップ許容値の位置に位置決めします。サイクル呼出しの前に工具を安全な位置に位置決めしてください
  • それぞれの深さレベルは、工具を持ち上げることなしにフライス加工され、アイランドではわきを迂回します
  • 「内側コーナー」の半径はプログラミング可能です。工具は停止したままではなく、切り離しマークは阻止されます (ブローチ加工と側面仕上加工の場合は、最も外側の経路に対して適用されます)
  • 側面仕上加工の場合、コントローラは接線方向の円経路で輪郭に接近します
  • 床面仕上加工の場合、コントローラは同じく接線方向の円経路で工具をワークピースに接近させます (例えばスピンドル軸 Z:平面 Z/X における円経路)
  • コントローラは、一貫して順方向または逆方向に輪郭を加工します

フライス加工深さ、許容値、セットアップ許容値などの加工用の寸法データは、サイクル 20 CONTOUR DATA の中央で入力します。

パターン:SL サイクルを使用した処理

0 BEGIN SL 2 MM

...

12 CYCL DEF 14 CONTOUR GEOMETRY

...

13 CYCL DEF 20 CONTOUR DATA

...

16 CYCL DEF 21 PILOT DRILLING

...

17 CYCL CALL

...

22 CYCL DEF 23 FLOOR FINISHING

...

23 CYCL CALL

...

26 CYCL DEF 24 SIDE FINISHING

...

27 CYCL CALL

...

50 L Z+250 R0 FMAX M2

51 LBL 1

...

55 LBL 0

56 LBL 2

...

60 LBL 0

...

99 END PGM SL2 MM

注意事項

  • 1 つの SL サイクル用のメモリには制限があります。 1 つの SL サイクルに最大 16384 個の輪郭要素をプログラミングすることができます。
  • SL サイクルは広範かつ複雑な計算を内部で行い、そこから得られる加工を実行します。安全のため、処理の前に必ずシミュレーションを行ってください。それによって、コントローラが計算した加工が正しく進行するかどうかを簡単に確認できます。
  • 輪郭サブプログラムでローカルな Q パラメータ QL を使用する場合は、QL を輪郭サブプログラムの内部でも割り当てるか、計算する必要があります。