基本事項
用途
コントローラの変数である Q、QL、QR、QS、名称パラメータを使用して、例えば加工中に計算で測定結果を動的に考慮することができます。
例えば以下の構文要素は変数を使用してプログラミングできます:
- 座標値
- 送り速度
- 回転数
- サイクルデータ
つまり、異なるワークに同じ NC プログラムを使用でき、1 つの中心的な場所で値を変更するだけで済みます。
機能説明
変数名
等号の左側に変数名が表示されます。
さまざまな変数の種類で、変数名は次のように構成されます:
変数 | 内容 |
---|---|
Q、QL、QR または QS パラメータ | これらのパラメータの変数名は文字と数字で構成されます (Q10 や QS10 など)。 変数の種類に対して文字が指定されます。 |
名称パラメータ | 名称パラメータの変数名は、ユーザーが定義した名称と 2 つの中括弧で構成されます ({DEPTH_1} など)。 変数名には文字、数字、アンダーバーを含めることができますが、文字で始まる必要があります。 名称パラメータには最大 31 文字の変数名を定義できます。 |
変数値
等号の右側に変数値が表示されます。
可能な変数値は、カテゴリーによって次のように異なります:
カテゴリー | 内容 |
---|---|
数値パラメータ | 数値パラメータには、-999,999,999 と +999,999,999 の間の変数値を割り当てることができます。 入力範囲は最大 16 文字に制限されており、コンマの前に最大 9 文字まで入力できます。1010 までの数を計算できます。 |
文字列パラメータ | 文字列パラメータには最大 255 文字の変数値を割り当てることができます。 文字列パラメータの変数値は、引用符で囲んで表示されます ("TOOL_3" など)。 文字列パラメータの変数値には次の文字を使用できます: A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ; ! # $ % & ' ( ) + , - ./ : < = > ? @ [ ] ^ _ ` * Tip フォーマット文字列を定義するために、QS パラメータおよび名称パラメータでは構文要素 FMT が使用できます。フォーマット文字列を使用すると、数値を変換したり文字列を結合したりする必要がなくなります。 |
Q パラメータ
Q パラメータはコントローラのメモリ内のすべての NC プログラムに作用します。
0 と 99 の間の Q パラメータおよび QS パラメータ は、マクロおよびサイクル内でローカルに作用します。したがって、変更は NC プログラムに反映されません。
次の Q パラメータがあります:
変数範囲 | 意味 |
---|---|
0~99 | ハイデンハイン SL サイクルと競合しない場合、ユーザー用の Q パラメータ |
100~199 | ユーザーの NC プログラムまたはサイクルによって読み取られるコントローラの特殊機能用の Q パラメータ |
200~1199 | ハイデンハインの機能 (サイクルなど) 用の Q パラメータ |
1200~1599 | 機械メーカーの機能 (サイクルなど) 用の Q パラメータ |
1600~1999 | ユーザー用の Q パラメータ |
QL パラメータ
QL パラメータは NC プログラム内でローカルに作用します。
次の QL パラメータがあります:
変数範囲 | 意味 |
---|---|
0~499 | ユーザー用の QL パラメータ |
QR パラメータ
QR パラメータはコントローラのメモリ内のすべての NC プログラムに作用し、コントローラの再起動後も有効です。
次の QR パラメータがあります:
変数範囲 | 意味 |
---|---|
0~99 | ユーザー用の QR パラメータ |
100~199 | ハイデンハインの機能 (サイクルなど) 用の QR パラメータ |
200~499 | 機械メーカーの機能 (サイクルなど) 用の QR パラメータ |
QS パラメータ
QS パラメータはコントローラのメモリ内のすべての NC プログラムに作用します。
0 と 99 の間の QS パラメータは、マクロおよびサイクル内でローカルに作用します。したがって、変更は NC プログラムに反映されません。
次の QS パラメータがあります:
変数範囲 | 意味 |
---|---|
0~99 | ハイデンハインサイクルと競合しない場合、ユーザー用の QS パラメータ |
100~199 | ユーザーの NC プログラムまたはサイクルによって読み取られるコントローラの特殊機能用の QS パラメータ |
200~1199 | ハイデンハインの機能 (サイクルなど) 用の QS パラメータ |
1200~1399 | 機械メーカーの機能 (サイクルなど) 用の QS パラメータ |
1400~1999 | ユーザー用の QS パラメータ |
名称パラメータ
名称パラメータは、QL パラメータのように NC プログラム内でローカルに作用します。
名称パラメータを数値パラメータまたは文字列パラメータとして定義できます。
注意事項
- 必ずハイデンハインが推奨する変数範囲の値を使用してください
- 事前割当てされた変数を使用しないでください
- ハイデンハイン、機械メーカーおよびサードパーティのドキュメンテーションを確認してください
- シミュレーションでシーケンスを点検します
- 基準点をアクティブにする前に、すべての列に値が書き込まれているか確認してください
- 定義されていない列の場合、値を入力します (例:0)
- または、機械メーカーに列のデフォルト値として 0 を定義してもらいます
- NC プログラムでは固定値と変数値を混ぜて入力できます。
- Q キーで NC ブロックを作成して、変数に値を割り当てることができます。このキーをもう一度押すと、Q、QL、QR の順番で変数の種類が変わります。
スクリーンキーボードでは、この手順は「NC 機能」エリアの Q キーでのみ行えます。
- 構文要素 SET UNDEFINED を使用して、変数にスタータス「未定義」を割り当てます。
例えば未定義の Q パラメータで位置をプログラミングした場合、この動作は無視されます。
NC プログラムの計算ステップで未定義の変数を使用すると、エラーメッセージが表示されて、プログラムランが停止します。
- コントローラの内部では、数値がバイナリ形式で保存されます (IEEE 754 規格)。標準化されたフォーマットを使用すると、小数が正しくバイナリ形式で表示されないことがあります (四捨五入エラー)。
ジャンプコマンドまたは位置決めの際に計算された変数値を使用する場合には、この事情を考慮する必要があります。
- 各変数の種類について、どの変数範囲またはどの変数を作業エリア「状態」の「QPARA」タブに表示させるかを定義できます。
Q パラメータとバックアップに関する注意事項
コントローラはバックアップ内に QR パラメータを保存します。
機械メーカーが異なるパスを定義していない場合、QR パラメータがパス SYS:\runtime\sys.cfg に保存されます。ドライブ SYS: は、完全バックアップでのみ保存されます。
機械メーカーは次のオプションの機械パラメータをパス指定に使用できます。
- pathNcQR (No. 131201)
- pathSimQR (No. 131202)
機械メーカーがオプションの機械パラメータでドライブ TNC: のパスを定義した場合、「NC/PLC Backup」機能を使って、コード番号なしでも Q パラメータをバックアップすることができます。