直線LN

用途

直線 LN は 3D 補正に必要な条件です。直線 LN 内では、面法線ベクトルが 3D 工具補正の方向を決めます。オプションの工具ベクトルは、工具傾斜を定義します。

条件

  • ソフトウェアオプション Adv. Function Set 2 (#9 / #4-01-1)
  • NC プログラムが CAM システムで作成されている
  • 直線 LN は、コントローラで直接プログラミングするのではなく、CAM システムを使用して作成します。

  • CAM で生成される NC プログラム

機能説明

直線 L の場合と同じように、直線 LN で目標点座標を定義します。

直線 L

追加で直線 LN には面法線ベクトルおよびオプションの工具ベクトルが含まれています。

入力

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

LN X+31,737 Y+21,954 Z+33,165 NX+0,2637581 NY+0,0078922 NZ–0,8764339 TX+0,0078922 TY–0,8764339 TZ+0,2590319 F1000 M128

NC 機能には以下の構文要素が含まれます。

構文要素

意味

LN

ベクトルを持つ直線のための構文のオープナー

XYZ

直線の終点の座標

NXNYNZ

面法線ベクトルの成分

オプションの構文要素

TXTYTZ

工具ベクトルの成分

オプションの構文要素FUNCTION TCPM または M128 でのみ有効

R0RL または RR

工具半径補正

工具半径補正

オプションの構文要素

FFMAXFZFU または F AUTO

送り速度

送り速度 F

オプションの構文要素

M

追加機能

オプションの構文要素

注意事項

  • NC 構文では、位置は X、Y、Z の順番、ベクトルは NX、NY、NZ ならびに TX、TY、TZ の順番でなければなりません。
  • 常に 3 つすべてのベクトルコンポーネントをプログラミングします。前の NC ブロックからの値は適用されません。
  • ハイデンハインでは、小数点以下 7 桁以上の標準化されたベクトルを使用することを推奨しています。これにより、高精度を達成し、加工中に発生する可能性のある送り速度の低下を回避できます。
  • 表面法線ベクトルを用いた 3D 工具補正は、主軸 X、Y、Z の座標データに作用します。

説明

法線ベクトル
法線ベクトルは、値が 1 で任意の方向をもつ数学上の大きさです。方向は X、Y および Z の成分によって定義されます。ベクトル値はベクトルの成分の二乗和平方根に一致します。