サイクル 403 ROT IN ROTARY AXIS

ISO プログラミング

G403

用途

タッチプローブサイクル 403 は、直線上にある 2 つの点の測定によってワークピースの傾き具合を算出します。コントローラは算出されたワークピースの傾き具合を A、B、C 軸のいずれかの回転で補正します。その際、ワークピースは回転テーブル上に固定されていてかまいません。

 
Tip

ハイデンハインでは、サイクル 403 ROT IN ROTARY AXIS の代わりに、次の機能的により優れたサイクルの使用を推奨します。

  • 1410 PROBING ON EDGE
  • 1412 INCLINED EDGE PROBING

サイクルシーケンス

  1. コントローラは、ポジショニングロジックを使用して、タッチプローブを最初のプロービング点 1 のプリポジション用に位置決めします。
  2. ポジショニングロジック

  3. 続いて、タッチプローブは入力された測定高さに移動し、最初のプロービングプロセスをプロービング送り速度 (F 列) で実行します。
  4. その後、タッチプローブは次のプロービング点 2 に移動し、そこで 2 番目のプロービングプロセスを実行します。
  5. コントローラはタッチプローブを安全な高さに戻し、サイクルで定義した回転軸を、算出された値の分だけ回転させます。オプションで、求められた回転角度を基準点表またはゼロ点表で 0 に設定するかどうかを設定できます。

注意事項

 
注意事項
衝突の危険に注意!
回転軸が自動的に位置決めされると、衝突が生じる可能性があります。
  1. テーブルで構築される要素と工具間で衝突の可能性がありますのでご注意ください
  2. 安全な高さは衝突が発生しないように選択してください
 
注意事項
衝突の危険に注意!
パラメータ Q312 補正動作のための軸?に値 0 を入力すると、調整すべき回転軸が自動的に求められます (推奨設定)。その際に、プロービング点の順序に応じて、角度が求められます。求められた角度は 1 番目と 2 番目のプロービング点によって表示されます。パラメータ Q312 で A、B または C 軸を補正軸に選択すると、プロービング点の順序に関係なく、サイクルで角度が求められます。計算される角度は、-90 ~ +90° の範囲にあります。衝突の危険があります!
  1. 調整後、回転軸の位置を確認してください
 
注意事項
衝突の危険に注意!
タッチプローブサイクル 400499 の実行時に、座標変換のためのサイクルがアクティブであってはなりません。衝突の危険があります!
  1. タッチプローブサイクルを使用する前に、次のサイクルをアクティブにしないでください:
    • サイクル 7 DATUM SHIFT
    • サイクル 8 MIRROR IMAGE
    • サイクル 10 ROTATION
    • サイクル 11 SCALING
    • サイクル 26 AXIS-SPEC. SCALING
  2. 座標変換を事前にリセットします
  • このサイクルは、加工モード FUNCTION MODE MILL でのみ実行可能です。
  • コントローラは有効な基本回転をサイクル開始時にリセットします。

機械パラメータと関連した注意事項

  • 機械メーカーがオプションの機械パラメータ trackAsync (No. 122503) を使用して、プロービングの際にプリポジショニングでスピンドルを位置合わせするか定義します。 この設定は、コントローラが有効なキネマティクスに基づいて位置合わせする回転軸を自動的に検出する場合にのみ有効です (Q312=0)。

サイクルパラメータ

補助図

パラメータ

Q263 第1軸の第1測定点?

加工面の主軸上での最初のプロービング点の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q264 第2軸の第1測定点?

加工面の副軸上での最初のプロービング点の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q265 第1軸の第2測定点?

加工面の主軸上での 2 番目のプロービング点の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q266 第2軸の第2測定点?

加工面の副軸上での 2 番目のプロービング点の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q272 測定軸 (1/2/3, 1=主軸)?

測定が行われる軸:

1:主軸 = 測定軸

2:副軸 = 測定軸

3:タッチプローブ軸 = 測定軸

入力:123

Q267 走行方向 1 (+1=+ / -1=-)?

タッチプローブがワークピースに向けて移動する方向:

-1:マイナスの移動方向

+1:プラスの移動方向

入力:-1+1

Q261 プローブ軸上の測定高さ?

測定が行われるタッチプローブ軸上の球中心の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999

Q320 セットアップ許容値?

プロービング点とタッチプローブ球の間の追加的な間隔。Q320 は、タッチプローブ表の SET_UP 列に追加的に作用します。 この値はインクリメンタル値です。

入力:0...99999.9999 または PREDEF

Q260 安全高さ?

タッチプローブとワークピース (クランプ装置) との衝突が生じない工具軸上の座標。 この値は絶対値です。

入力:-99999.9999...+99999.9999 または PREDEF

Q301 安全な高さへ走行 (0/1)?

測定点間のタッチプローブの移動方法を指定します:

0:測定点間で測定高さに移動します

1:測定点間で安全な高さに移動します

入力:01

Q312 補正動作のための軸?

測定された傾き具合を補正するのに使用する回転軸を指定します:

0:自動モード – 有効なキネマティクスに基づいて、調整する回転軸が求められます。自動モードでは、1 番目のテーブル回転軸 (ワークピースを始点とする) が補正軸として使用されます。推奨設定!

4:傾き具合を回転軸 A で補正する

5:傾き具合を回転軸 B で補正する

6:傾き具合を回転軸 C で補正する

入力:0456

Q337 調整後、ゼロに設定?

プリセット表またはゼロ点表の調整された回転軸の角度を、調整後に 0 に設定するかどうかを指定します。

0:調整後に表の回転軸の角度を 0 に設定しません

1:調整後に表の回転軸の角度を 0 に設定します

入力:01

Q305 表内番号?

基本回転を入力する基準点表内の番号を指定します。

Q305 = 0:回転軸は基準点表の番号 0 でゼロに設定されます。OFFSET 列に入力が行われます。さらに、現在アクティブな基準点の他のすべての値 (X、Y、Z 等) が基準点表の行 0 に適用されます。また、基準点が行 0 から有効化されます。

Q305 > 0:回転軸をゼロに設定する基準点表の行を指定します。基準点表の OFFSET 列に入力が行われます。

Q305 は以下のパラメータによって異なります:

  • Q337 = 0:パラメータ Q305 は無効です
  • Q337 = 1:パラメータ Q305 は上記の説明のように作用します
  • Q312 = 0:パラメータ Q305 は上記の説明のように作用します
  • Q312 > 0Q305 の入力内容が無視されます。サイクル呼出し時にアクティブな基準点表の行の OFFSET 列に入力が行われます

入力:0...99999

Q303 測定値転送 (0,1)?

算出された基準点をゼロ点表あるいは基準点表のどちらに保存するか指定します:

0:算出された基準点をゼロ点シフトとして、有効なゼロ点表に書き込みます。基準系は有効なワークピース座標系です

1:算出された基準点を基準点表に書き込みます。

入力:01

Q380 基準角度? (0=主軸)

プロービングした直線が調整される角度。回転軸 = 自動モードまたは C が選択されているときのみ有効 (Q312=0 または 6)。

入力:0...360

ユーザーマニュアルに含まれている NC プログラムは、あくまで解決のヒントです。機械で NC プログラムまたは個々の NC ブロックを使用する前には、必ずそれらを調整してください。

以下に応じて調整を行います。

  • 工具
  • 切断値
  • 送り速度
  • 安全な高さまたは安全な位置
  • 機械特有の位置 (例:M91)
  • プログラム呼出しのパス

一部の NC プログラムは機械キネマティクスに依存しています。このような NC プログラムは、最初のテストランの前にその機械キネマティクスに合わせてプログラムを調整してください。

さらに、実際のプログラムランの前にシミュレーションで NC プログラムをテストしてください。

 
Tip

プログラムをテストすることで、ソフトウェアオプションや有効な機械キネマティクス、現在の機械構成で、その NC プログラムが使用可能かどうかを確認できます。

11 TCH PROBE 403 ROT IN ROTARY AXIS ~

Q263=+0

;1ST POINT 1ST AXIS ~

Q264=+0

;1ST POINT 2ND AXIS ~

Q265=+20

;2ND PNT IN 1ST AXIS ~

Q266=+30

;2ND PNT IN 2ND AXIS ~

Q272=+1

;MEASURING AXIS ~

Q267=-1

;TRAVERSE DIRECTION ~

Q261=-5

;MEASURING HEIGHT ~

Q320=+0

;SET-UP CLEARANCE ~

Q260=+20

;CLEARANCE HEIGHT ~

Q301=+0

;MOVE TO CLEARANCE ~

Q312=+0

;COMPENSATION AXIS ~

Q337=+0

;SET TO ZERO ~

Q305=+1

;NUMBER IN TABLE ~

Q303=+1

;MEAS. VALUE TRANSFER ~

Q380=+90

;REFERENCE ANGLE